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沖縄を仕事場に!?〜沖縄ワーケーション全貌

初めまして、note初投稿させていただきます、こんぶと申します(°▽°)     さて、記念すべき初回の内容ですが、沖縄におけるワーケーション事業について話していきたいと思います!

沖縄でバケーション!!!                                                                                  
といえば、どこまでも広がる青い空、生物多様性の溢れた透き通る海、ローカルな魅力たっぷりの美味しい伝統料理...                                                                        
控え目に言って最高ですよね!でも今回は、「」ケーションではなく、「ワー」ケーションです。                           
この記事を読まれる方の中には、「そもそもワーケーションって何?」っていう方もいらっしゃると思います。他にも今回の題材に関しては、沖縄ワーケーションって普通のワーケーションと何が違うの?普通のサラリーマンでもできるの?などなど...                                 
色々と疑問は湧いてくると思いますが、ご安心ください!私も実は「この動画」見るまで一緒でした😅

はい、勿体ぶってしまってすみません(笑)「この動画」とは、沖縄県庁主催のワーケーションに関するオンラインイベントの動画です。見れば、現在行われている沖縄ワーケーション事業の全貌が分かります!時間は2時間と少し長めですが、そもそもワーケーションを沖縄で行う意義なども丁寧に教えてくれるので、社会的背景や沖縄の固有の特徴などシンプルに勉強にもなります(少なくとも私は、ほうほうと唸りながら聞いていました)。

今回はこの動画を見て感じたことや学んだことを記述していきたいと思いますので、ご興味ある方はお付き合いいただけると嬉しいです!

動画の構成は3つの講演とパネルディスカッションで成り立っています。それぞれ、大まかな概要と感想を記述していきます。

まず、一つ目の講演は「沖縄におけるワーケーションの可能性」というもので、JTB総合研究所の山下さんがお話し下さっています。           
主にこの講演では、沖縄ワーケーション事業を沖縄観光の停滞問題解消のための一取り組みとして捉えています。その上で、ワーケーションを広義の意味で以下のように定義しています。

”個人が主体的に選択する、日常的な仕事(ワーク)に、非日常的な体験(バケーション)の感覚を埋め込んだ、柔軟な働き方”

そして、この定義はワーケーションの類型の中でも休暇福利厚生型(有給休暇を活用してリゾートや観光地等でテレワークを行う)をイメージしているようですね。他にも業務型などワーケーションには様々な類型があるようですが、個人的には「柔軟な働き方」と謳っておきながら「型」にはめ込んでしまうのはどうかな...とも思います😅                              また、バケーションを非日常的な体験と捉える観点から、アドベンチャーツーリズムに焦点を当てています。旅の体験価値を分解して、それらが「旅行の本質」であると。しかし、ワーケーションはバケーションではありません。盲導犬と普通のペットの犬くらいの違いがあると思っています(この例えが皆さんにも通じれば良いのですが ...)。                             
つまり、後者が休暇という要素だけなのに対し、前者のネックは仕事と休暇の両立が必要なのです。それでは、両者の「休暇」を安直に同じようなもの、と捉えるのは少し違うのではないでしょうか...?沖縄観光誘致の側面が少し強く出ているようにも思えます。                            
ただ、やはり関係人口を増やしたいなど、県としての思惑や社会動向などを学ぶことができたので、とても有意義な講演であったとも思います!

そして二つ目の講演は、沖縄県文化観光スポーツ部の渡久地さんによる「地域特性を生かした6つのモデルプラン」です。                  
この講演では、コロナ禍で起こった新たな社会変化沖縄の優位性を掛け合わせていこうという思惑で立ち上げられたウェルネス・ワーケーション(沖縄の自然を最大活用した健康増進プログラム)とチームビルディング・ワーケーション(リラックスしながらチーム力を高めるプログラム)という二つのプログラムについて説明がなされています。ワーケーションの定義は、一つ目の講演とは違うようで以下の通りでした。

”仕事(ワーク)と休暇(バケーション)を組み合わせた造語で、観光地やリゾート先でテレワークやリモートワークを活用して、働きながら休暇をとる過ごし方”

アプローチ方法は、ニーズ調査→ポテンシャル確認→モニターツアー→モデルプラン作成というもので、結果以下の6プランが提示されています。

➀オン・オフバランス型(那覇)                     
②のんびりリラックス型(南部)                      ③文化刺激型(中部)                           ④ネイチャーリフレッシュ型(北部)                    ⑤マリンリゾート型(宮古)                        ⑥自然体験宝庫型(八重山)                        

それぞれのプランにワーケーションに求められると考えられる「ウェルネス」、「チームビルディング」、そして「家族」の要素が充足できるコンテンツが含まれていて、尚且つ「ワーク」ができる施設も紹介してくれています。旅行会社のツアーパックみたいで、いいですね!
一つ難点をつけるとすれば、プラン内容がどうしても観光客向けに見えてしまうことです。もし、関係人口を増やしたいのであれば、もっとローカルなつながりを長期的に維持できるような「休暇」の取り方やコンテンツを考えるべきだと思います。「お客様」でいる限りは、他の「商品」も買い放題なので、他のワーケーション導入地域に不倫される可能性は大いにあります。一つ目の講演同様、「沖縄観光誘致」という概念に強く引っ張られている感が否めませんね。

最後、三つ目の講演はワーケーション・プランナーであり、編集者兼ライターもやっていらっしゃる児玉さんがレポートする「沖縄ワーケーション・モニターツアー」です。
「仕事との両立は?」「本当にリフレッシュできる?」そんな不安を胸に抱えた現代社会人を代表し、児玉さんが実際にワーケーションを沖縄で行った結果見えてきたメリットを赤裸々に語ってくれています!そして、その最大の魅力を以下の3つにまとめています。

➀SELF 〜心身ともに健康に
②WORK 〜仕事の効率UP、社員同士の交流活性化
③FAMILY 〜家族や夫婦の絆が深まる

動画や写真付きで実体験を語ってくれているので、とても説得力がありました。自然を満喫し、仕事とプライベートを両方最大限に充実させてくれる、そんな理想的な生活の一片を覗くことができたような気がします☺️

講演が終わった後は、パネルディスカッションでした。主なテーマは、家族帯同沖縄ワーケーションの利点と不安です。
メリットは一言で表すと、「自然や地域と触れ合いつつ、家族との時間を充実させることができる」ということです。SDGsなど子供の教育的観点からも、実際に沖縄の豊かな自然に触れることは良い機会になる、という主張は沖縄に実際に行ったことのない私でも「素晴らしい体験になるだろうな〜」と容易に想像がつきます🌴
懸念要素はやはり、仕事のonとoffが主なもので、家族の安全性確保も少しメンションされています。特に、コワーキングスペースや長期滞在プランの整備が求められているようですね。家族の安全性に関しては、「無難な不安要素」を挙げるために少し無理に引っ張ってきたのかな...という印象も受けましたが。そもそも、自分が不在の間の家族の安全性がそこまで気になるようでしたら、普段の仕事も手に付かないのではないでしょうか?
講演が観光誘致政策の延長的な性格が色濃く出ていたのに対し、ディスカッションでは、どのようにして関係人口を増やしていくのか、というワーケーションの根本的な問題により近づいているような気がしました。ただ、注意しなければならないのは、これは家族帯同という一つのターゲット層に関する話であって、ワーケーションは本来万人に開かれた柔軟な新しい働き方であるべき、ということです(少なくとも私はそう思っています)。そう考えると、今後ワーケーションに関して様々なペルソナを想定した議論が活発に行われることを祈るばかりです!

まとめると、今回の動画からは現時点での沖縄ワーケーションの実態をワーケーション自体の背景とともに、とても詳しく学ぶことができます!ただ、現実としては沖縄観光を補う措置として捉えられている側面が強く、まだまだ検討の余地があるように思われます🙍‍♀️
顕在化したニーズや出来事に囚われすぎていて、潜在的なニーズやポテンシャルが見えていないように思えます。現実世界はリアルタイムで変化し続けていますから、顕在化してからでは遅いのです。目に見えないものを柔軟に追いかける姿勢が重要であると私は感じます。そのためにも、今後の沖縄ワーケーションが成功を収めるには、一度「観光」や「家族帯同」といったワーケーションの一側面でしかないものに引っ張られすぎず、変幻自在な社会に敏感なアンテナを立てておくことが必要なのではないでしょうか?
沖縄は豊かな自然や文化など魅力あふれる地であることは、疑いようがない事実です。しかし、その豊富な資源を「ワーケーション」にどれだけ親和性を持たせることができるかは未だ未知数と言わざるを得ません。「観光リゾート沖縄」から「第二の故郷沖縄」に変化するとしたら今こそがその分水嶺なのではないでしょうか。



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