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「くじけないで」を読んで

家からすぐのところに図書館がある。
思いがけず良い天気の日曜だったので、散歩がてら図書館に向かった。
本を借りる予定はなかったのだが、ふと詩集コーナーに目が行って、
『くじけないで』という本を借りてみた。

この本は、92歳で詩作を始めた柴田トヨさんの詩集だ。10年ほど前に話題になった本として存在は知っていたが、手にとったのは初めてだった。
92年の歳月を戦ってきた人生の先輩が紡ぐ温かい言葉。
説得力があり、ひとつひとつの言葉がすっと心に入ってくる感じがした。
また詩という形式で、短くて難しくないところにも癒された。
どの作品もとても素敵だが、とくに心打たれた作品として「貯金」「くじけないで」「秘密」の3つをおススメしたい。

■『貯金』
ひとから優しさをもらったら心に貯金しておいて、さびしくなった時に引き出して元気になる。こんな考え方が、とても可愛らしくて、やわらかで、心地いい。この詩を読んで、仕事で大きなミスをしたとき、代わりに謝りに行ってくださった上司のことを思い出した。

■『くじけないで』
92年の歳月生きてきたと思うと短い文章にも重みを感じる。
「私 辛いことがあったけれど生きていてよかった」と柴田トヨさんは仰った。90代になって、そんな風に素直に思えるって本当に素敵なことだと思う。

■『秘密』
まわりの人に打ち明けたことはないけれど、くよくよしてしまうことってやっぱり誰にでもある。「死にたいって思ったことが何度もあったの」という言葉に共感する人は多いのではないだろうか。「でも今はもう泣き言は言わない 九十八歳でも夢だってみるの(一部省略)」という言葉に、励まされ、光を与えてもらっている感じがした。

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詩集『くじけないで』を読むと、元気が出ますよ。癒されます。
30分で読めるので、どうぞ心の栄養が足りない時に、読んでみてください。


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