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インフォームドコンセント

お久しぶりです。

祖父が新型コロナに感染しました。

肺炎を発症しており、酸素吸入が必要な中等症2という診断を受けたため、現在は入院しております。

ところで、インフォームドコンセントという言葉をご存知でしょうか。

インフォームドコンセントとは、患者・家族が病状や治療について十分に理解し、また、医療職も患者・家族の意向や様々な状況や説明内容をどのように受け止めたか、どのような医療を選択するか、患者・家族、医療職、ソーシャルワーカーやケアマネジャーなど関係者と互いに情報共有し、皆で合意するプロセス

日本看護協会HP

インフォームドコンセントに係ることについて、医療法第1条の4第2項では、「医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない」と示されている

日本看護協会HP

今回はこの2つ目に直面した話になります。



少し前から喉に違和感を感じていたようで2回ほど、かかりつけ医にも診察を受けに行っていました。

ですが、微熱と咳が続いていたので、病院でコロナの検査を受けることに。

抗原検査を受診し、陽性判定が出ましたが自宅療養を命じられました。

その日のうちに、保健所からパルスオキシメーターが届きました。

健康な人だと、96%~99%の表示が出るようですが、祖父は93%という数字が出ていました。

夜中、不安だったので24時間のコロナ健康相談窓口に電話をし、看護師さんの指示を仰ぎましたが、このまま様子見をするように言われました。

ですが、2日後。

祖父のパルスオキシメーターの値は87%~91%をウロウロするようになりました。

これはヤバい。救急車を呼ぼうか。いや、私が車で病院まで連れて行ったほうが早いかも。
でも、医療がひっ迫しているってニュースで聞くし、そもそもどこの病院で受け入れてもらえるんだろう。

再度、24時間コロナ健康窓口へ電話をし、祖父の状態を詳しく話しました。

すると、病院へすぐに行くように指示され、家から近いいくつかの病院を教えてもらいました。

たくさんの病院に断られました。

でも、隣の市で「すぐに連れてきて」と言ってくれる病院がありそこに連れて行きました。

採血や検査をした後、言われたのは「即入院」。

肺炎を発症していることや中等症2であることを祖父や私たち家族の前でも伝えられました。

病状の説明だけなら良かったのですが、お医者さんは気管挿管心臓マッサージを希望するかどうかの話を祖父の前でしたのです。

気管挿管は、一度管を通すともう二度と抜くことはできないこと。
どれだけ辛くても僕たち医者は抜いてあげられない。
(管を抜く=死 なので、殺人になってしまうそうです)

心臓マッサージは、心臓を動かすことが再優先。
肋骨が折れても、肺がつぶれても、心臓を動かすことが目的。
だから、仮に命を取り留めても体はボロボロになる。

あなたは、こういった治療を望みますか?


分かっています。
そのお医者さんは事実を伝えてくれたんです。
後から、祖父自身が後悔しないように。

でも。
やっぱり、すごく辛かった。
数日間しんどい思いをして、やっとたどり着いた病院で、そんな話をしてほしくなかった。
祖父には希望を持っていてほしかった。

祖父の答えは
「そこまでしてもらわなくても大丈夫」
でした。

私たちがどう言おうがこれは本人の意思が尊重されるようです。

私がどれだけ祖父を説得しても、
「いやいや、大丈夫」
の一点張り。

周りの家族と説得を試みようと次々祖父に話しかけていると

お医者さんから
「ご自身が80代になったとき、どう決断されるか考えてください」
と言われました。

正直、私なら。80代とは言わず、今この年でその決断に迫られたら、迷わずそういった治療は断ると思います。

でも、周りの家族は違う。

しかも、今このタイミングでそんな決断を祖父にさせるなんて、生きる希望が持てなくなるかもしれない。


今も色々な思いがずっと渦巻いています。

どうしてそんな言い方で決断を迫ったの?
どうしてあのタイミングで?
どうして。


インフォームドコンセントとはまた少し違うかもしれませんが、教科書に載っていた言葉を実感しました。

いつかは考えなければいけないことだと思います。

嫌なことを先延ばしにしていてもダメですし。

でも、これを機に考えようと思います♪なんて明るいことを言える気分ではありません。

少しずつ少しずつ考えて、自分の中でも受け入れていこう。

必ずお別れの時はやってくるし、逃げることはできない。

実は私たち家族は、もう1人の祖父の癌告知や余命宣告についてもすごくすごく苦しい思い出があります。

無意識にその思い出と重ねてしまったのかもしれません。

このnoteを書いている今も、ですが、深く考えさせられました。


悲しい終わり方になってしまいましたが、祖父はすごく元気そうです。

毎日ラインをしています。

(ラインの使い方を教えておいてよかったと心から思いました。)

「税金で入院させてもらうなんて、みんなに申し訳ない」と言いつつ、人生初めての入院を楽しんでいるようです。

よかったよかった。

このまま何事もなく回復して、はやく退院できますように。

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