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コーチの視点から共に考えるビジネスコラム

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「Coach's VIEW」はコーチ・エィのエグゼクティブコーチによるビジネスコラムです。 コーチ・エィ代表取締役の鈴木義幸をはじめ、東京、上海、バンコク拠点在住コーチが、エグ… もっと読む
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#組織変革

なぜ、あなたは部下の話が聞けないのか?

written by 桜井一紀 人の話を聞くのが下手だから、傾聴のスキルを学ぶ。 質問ができないから、質問のスキルを学ぶ。 「弊社のマネージャーは、部下の話を全然聞かないんです。だから、傾聴を中心にコーチングのスキルトレーニングをしてください」 人事部、研修部の担当者からよく聞く話です。 ところが、トレーニング実施後しばらく経ってからどのくらいコーチングが行われているかを調べてみると、ほとんどの場合、継続的に実行している人はごくわずか。 スキルを学んだとしても、その

会社の文化を変えるとは、何を変えることなのか

written by 青木美知子 あなたの会社は、お客様や友人から、どのような会社だ、と言われることが多いですか? 仕事柄、さまざまな業種業界との接点を頂きますが、その会社のありようや雰囲気は、お一人の方と話していてもよく分かりません。でも、訪問して受付の方同士の様子や、守衛さんと社員の関わり、特に、複数が参加するミーティングに参加すると、その会社の様子を一気に感じられるようになります。 目の前にいる二人の間に流れる空気だったり、座ったときの距離感、お互いがどんなふうに

「急がば回れ」が機能するとき

written by 長田祐典 「変えなければいけないのは 『変化』に対する捉え方だ。リーダーは変化を『時折、偶発的に起こる混乱』と考えるのではなく、『マネジメントの本質』と捉えるべきだ」 これは、Harvard Business Review 2017.10.26に掲載された論文の一説です(※)。あなたはこの文章をどのように解釈しますか。 私自身は、これを「リーダーは"常に"変化について考え、変化について対話し、変化を起こすことが問われている」というメッセージと捉えて

1on1をうまくいかせる上司のマインドセットとは?

written by 桜井一紀 「数年前に、1on1ミーティングを鳴り物入りで導入したのだが、うまくいっているとはいえない。形骸化している」 最近、このような話をよく耳にします。 1on1ミーティングは、上司と部下の関係を見直し、組織全体のパフォーマンスを向上させることを目的に導入が進みました。その背景には、「対話型組織開発」という考え方があります。そもそもその考え方は、エンゲージメントサーベイを含むアンケート調査等を中心にした「診断型組織開発」には限界があるとして生ま

スピードを上げる、パーパスとつなぐ

written by 青木美知子 ある大手金融会社のAさんは、昨年、常務からCEOに就任しました。CEO就任間もない頃、Aさんからセッションでこんな話がありました。 「会社の文化を、指示したらそれに従ってスピーディに動ける会社に変えていきたい。今の文化のままでは、投資家からの評価が得られるようなビジネス展開も難しく感じています」 指示したら、それに従ってスピーディに動ける組織にする。これは、全てのリーダーが、多かれ少なかれ望んでいることかもしれません。 Aさんは「スピ

不確かな未来を確かなイメージに変えるアプローチ

written by 栗本渉 21世紀に入り、リーダーシップのあり方は大きく変化しています。 ステレンボッシュ大学 ビジネススクールのニッキー・ターブランシュ博士 (Nicky H.D. Terblanche)は、論文の中で、その変化に関する様々な論者の視点を紹介しています。(※) 今日のリーダーたちは、複雑で不確実で不安定な環境という課題に直面している。ビジネスの通常のやり方が変わった。人々のつながりが、正式な組織構造よりも重要になってきたからだ。 (Horney,

対話なくして変革なし

written by 内村創 「対話の時代」がやってきている。 そう言いたくなるほど、「対話」という言葉を様々なところで目にするようになってきました。 私たちの住む世界は、日々多様性を増し、答えがはっきりせず、複雑になり、未来もどうなるか、より不透明になってきています。 「だからこそ対話が必要」「もっと対話する機会を持とう」「上司は会話じゃなくて対話を意識しよう」。そんな風に単純に考えてしまいがちですが、対話をする上で最も大切なことは何でしょうか。 どういう意図をも

リーダーがよくなれば、組織は変わるのか?変革の仲間を創り出す

written by 長田祐典 『Whyから始めよ』の著者サイモン・シネックの著書に、『一緒にいたいと思われるリーダーになる 人を奮い立たせる50の言葉』という絵本があります。リーダーシップに関する絵本です。 この本には、そのタイトルの通り、人を奮い立たせる(原文ではInspireという言葉が使われています)50の言葉がちりばめられています。 好きな言葉はいくつもあるのですが、特に私が好きなのが次の3つです。 「ひとりでは何もできない だからひとりでできるというふりをし

組織はなぜコーチングができる人材を求めるのか

written by 栗本渉 コーチングができる人材が求められつつあります。 「有能なマネージャーの資質のトップは、良いコーチであること」というGoogle社の調査結果(※1)や、「83%の組織は、今後5年でマネージャーの職務要件としてコーチとしての役割が加わる」という2019年の国際コーチング連盟の調査結果(※2)については、これまでコーチ・エィのコラムでもよく紹介してきました。 実際に私たちが企業の経営幹部と接する中でも、人材への要求が変化していることを感じます。自