アルゼンチン×オーストラリア FIFA World Cup Round of 16 〜最適解の提案〜
こんにちは。へーこです。
今回はW杯アーカイブ化計画にお誘いいただき、抽選の結果アルゼンチンの試合を担当させていただくことになりました。僕自身、日本の次に応援していたのがアルゼンチンだったので、メッシの集大成をしっかりと見届けていきたいです。それでは、まずスタメンから見ていきます。
スタメン
前線のタレントが豊富なアルゼンチンは意外とシステム的な手札は多く、毎試合少しずつフォーメーションや人の置き方を変えてきている。この試合は、433の形でスタートした。
前半
アルゼンチンがボールを持ってオーストラリアが442のミドルプレスを構えるという構図は戦前の予想通りであった。
オーストラリアがミドルブロックを敷くことをはっきりと決めていた。そのため、アルゼンチンはビルドアップで前向きのフリーを作ることは苦労することはなかった。よって、アルゼンチンはスムーズに崩しの局面に移行した。
立ち上がり、チャンスのにおいがしたのはアレハンドロゴメスの仕掛けからであった。左サイドの大外に張った位置からドリブルで仕掛けながらチャンスを作った。そして左サイドの崩しに関してはゴメスの動きに周りが合わせる形で進んだ。ゴメスが外に張るとアクーニャは低い位置で配給を行い、アリスターは内側のレーンを走ってカットインの道を作った。
アルゼンチンで一つ特徴的なのは前向きの状態でボールを受けたい選手が多いことである。フェルナンデス、デパウルは降りてきて前向きでボールを受けたがるし、メッシもそうである。そのため、ライン間にも人がおらず、背後に抜ける選手もいなくなってしまうというのはアルゼンチンの攻撃でしばしば起きてしまう問題である。そのため、ボールを保持して崩していくというのはあまり得意ではなく基本的にはメッシが何かをしてくれる待ちである。
後半の話ではやっぱり433はやめた方が良いよねという提案を行っていきたい。
後半
後半5分、アルゼンチンはアレハンドロゴメスに代えてリサンドロマルティネスを投入した。そして、それに伴いフォーメーションも433から532に変更した。今大会、アルゼンチンは逃げ切りの一手として3バックを使うことが多い。メキシコ戦でも後半からロメロを投入し3バックに変更した。
個人的には3バック変更してからの方がアルゼンチンは強いと感じている。
上のツイートでも説明したが、3バック導入後のアルゼンチンが強い理由を説明する。
まず、前半の話でも書いたがアルゼンチンは433の形でハイプレスを上手く行えない。メッシが走らないというのは単純な理由ではある。が、そんなことはもともと知っている話で、メッシがあまり走らなくてもハイプレスをかけれる形を用意できていないというのが本当の問題だ。メキシコ戦では相手が3バックであったということもありディマリアが一つ前に出ることでその形を補完することができていた。
この試合では442気味になりながら守備するということは決まっていたのであろう。ただ、そのルール作りもかなり曖昧なものになっておりオーストラリアにハイプレスを空転させられることが多かった。
しかし、後半に入りシステムを532に変更したことによって、ハイプレスが機能するようになった。オーストラリア戦での2得点目は完全にシステム変更の恩恵を受けたものであった。
56分。オーストリアのGKライアンが流れたボールを捕球。LSBのベヒッチへのスローが長くなったところをデパウルが見逃さなかった。532のIHから前に押し出しプレスをかけてそのままCB、GKまで三度追いをしてミスを誘発した。
532にしたことでメッシが走らずともプレスをはめることができるようになった。この形であればメッシが真ん中を隠しているだけであってもIHが走れさえすればハイプレスを機能させることができる。
そして、もう一つあるメリットはリサマルを起用することができることである。アルゼンチンはCBをロメロ、オタメンディ、リサマルで回しているが起用を見る限りリサマルが序列としては低めな感じがする。攻守にかなめに慣れる選手であり常にピッチに置いておきたいと考えると3バックの方が良い。
532できっちり守りながら、ハイプレスをかけてショートカウンターを狙う。カウンターの際にはメッシが起点となりながら時にはサイドにも流れてチャンスをつくる。空いたスペースにはIHのアリスター、デパウルが飛び出していく。後半に攻撃を加速させる切り札としてディマリアをベンチにおいておくのがアルゼンチンの戦い方として理想であると思う。メキシコ戦の2得点目もまさにデパウルがロングカウンターで飛び出していいたことは一つのきっかけになっていた。
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