見出し画像

ビルドアップ時にサイドの低い位置の選手に求められる資質

今回はビルドアップのコツのようなものについて自分なりに考えたので、備忘録的に書いていこうと思います。

ここではビルドアップを「相手のプレスが発動できない状態でボールを保持することを目的とする振る舞い」というように目的によって定義します。

選択肢を絞らせずにボールを運ぶ

まず、大前提としてビルドアップで大事なことは相手に選択肢を絞らせないことです。

プレスのスイッチが入るタイミングは、ボールが転がっている間や選手がコントロールミスをしたとき、背中向きでボールを持った時などです。

そして、すべての共通点はボール保持者の選択肢が限られており、ボールの行方の予測がしやすいということです。

つまり、ビルドアップではこれらの状況がなるべく発生しないようにしながらボールを保持して前進をするということが重要です。

逆に言えばこのような状況を減らすだけで相手のプレス発動を抑えることができるので、スムーズに崩しの局面に移行することができます。

サイドの深い位置では選択肢を絞りやすい

プレスをかける側の視点に立った場合、相手が自陣のサイドの深い位置にいる場合は、プレスをかけるチャンスとなります。

ポジションでいえば、主にSBの選手がボールを持った場合。

なぜなら、

・パスの角度が少ない。

・相手が逆サイドのプレイヤーを捨ててボールサイドに多くの人員を割ける。

サイドの深い位置でのビルドアップでは相手がプレスを発動するチャンスが多くなります。

そのため、自陣深くのサイドでは相手に付け入る隙を与えないようより慎重にボールを扱う必要があります。

利き足問題

では、サイドの深い位置でのビルドアップにおいて選手は何が求められるのでしょう。

ビルドアップの肝は多くの選択肢を相手に見せることで、プレスの的を絞らせないことです。

そのため、個々の選手にもそのようなボールの持ち方が求められます。

効き足と逆のサイド(逆足サイド)でのドリブルを好むウィンガーが多いのは、そっちの方がディフェンダーに二択を見せながらの駆け引きがしやすいからです。

そして、サイドの深い位置でのビルドアップでも同じです。

逆足サイドのほうが対面の選手からは的を絞られずらいです。

トニ・クロースやマテオ・コバチッチといった選手が逆足サイドの低い位置でボールを引き取ろうとするのはこのような理由があるのだろうと思います。

一見、逆足サイドに降りるのは原則と反しているように感じらますが、相手との選択肢の駆け引きをすることを考えると、メリットもあります。

マンチェスターシティーのジョアン・カンセロが左サイドに置かれているのもそのような理由がありそうです。

CBがボールを運ぶのは必ずしも効果的ではない

最後に余談程度の話を一つします。

CBが運ぶのは有効であるというのは近年のサッカー戦術界隈でも自明であるとされております。

しかし、有効でない場合もあると思います。

それは、相手に選択肢を絞られてしまうときです。

ここまでで相手に多く選択肢を見せることの重要性について書いてきましたが、CBの振る舞いについても同様です。

例えば、上の図のように3バックのサイドの選手が相手の2トップを超えようとする場面について。

もし仮に前にボールを運ぶことができたとしても相手のFWのプレスバックが間に合ってしまい結果としてサイドに圧縮されてしまうだけということがあります。

このようなことは自分自身がサッカーをやっている中でよく感じることです。

このような場合はたいてい、そのひとつ前の場面で相手に中の選択肢を見せきれずにサイド圧縮を食らってしまうことが多いです。

ここまで読んでくださってありがとうございます。

https://twitter.com/heko5606

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?