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季語六角成分図「鷹」

俳句ポスト 第255回 2020年11月26日週の兼題。

季語六角成分図「鷹」より。
(視覚)「鷹の目」、鋭い嘴と爪、力強い風切羽、長めの尾羽。素早く飛び、急降下し、狩りをする。捕らえた獲物(ハトや小鳥、栗鼠、ネズミなど)。大空、山、森、海など広がりのある自然の風景。
(嗅覚)肉食獣であり、そんなに良い匂いではないらしい。
(聴覚)鳴き声(ピィー、クィーなど高音)。風の音。羽ばたき。
(触覚)羽毛は柔らかそうに見えるが、実際どうかはよくわからず。
(味覚)なし。
(連想力)威厳、高貴、雄渾、力強さ。将軍、大名、家紋。戦闘機、車。鷹狩、鷹匠(いずれも冬の別季語)。
★視覚が強く、連想力、聴覚が続く。鮫や蝉と同じく総称(集合名詞)ですが、例句を見ているとノスリなど種名が読まれることは稀のようです。
★力強く飛翔能力が高いため、戦闘機などの愛称になることも。成句では鳶が鷹を生む、能ある鷹は爪を隠すなど、能力のある者の例えに使われることもある。
★例句では雄渾な自然の中の姿を描いたものが多いようです。タカ科のうち比較的大きいものを鷲、小さいものを鷹と呼び、どちらも冬の季語ですが、俳句の文脈における違いは…正直よくわからない。私の勉強不足でしょうが、鷹と鷲を入れ替えても成立するのでは、という句が多い気が…鷲の六角成分図を書いてもほとんど同じになるでしょう。
大きな違いは鷹狩や鷹匠の技術などの歴史的・文化的背景でしょうが、これをそのまま詠むと別季語になりますし…少し人との心理的距離が近いというか、投影されるを踏まえて詠めば良いのかしら。むむむ、いつにも増して難しい季語です。

季語六角成分図に関する注意事項


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