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十二国記は私を懊悩させる高潔な姿見なのである

「十二国記の日」に寄せて  小説「十二国記」シリーズの新作が18年振りに発売になると知ったのは、おそらくTwitterか何かでであったと思う。「黄昏の岸 暁の天」から18年も経っていたのかと驚き、同時に「魔性の子」を読んでからだと、もう28年も経っているのだと知って、時の流れの速さに愕然とした。そして、生きていて良かったと心底思った。実感としてこの言葉が出たのはこの時が初めてだったかも知れない。あぁ、今まで死なずに生きてこれて良かった。18年という長い時間の間に、ちょこっと

    • 日記*干支の置物

       12月に入ってから、雑貨屋の店先でちょくちょく物色はしていたのだが、手に入れないまま今日になった。もう、干支の置物を求めて歩くような時間的な余裕はない。  特に決まりはないだろうと、戸棚に収納したままになっているシルバニアファミリーのネズミの男の子と女の子を取り出し、和装に着替えさせる事にした。  我が家には過去にも現在にもこれで遊ぶ子供はいないが、息子の幼稚園時代、バザー用にシルバニアの服を作った記憶があるから、その時に買ったのだろう。 シルバニアは園児の手にはちょうどい

      • もっと吹け

        駅までの道、頭上には薄灰色の雲が重たく広がり、まさに冬の空だ。 おまけに、予報にはなかった雨が細かく降ってきた。 うらめしく空を見上げると、西空には意外にも美しい青。 髪を乱す程の強い風が、上空でもびゅんびゅん雲を散らしているのだろう。 たったそれだけの風景が、気持ちをぐんと持ち上げる。 もっと吹け

        • 冬コミ 行きたいー!

           週末から冬コミですね。今年はとてもソワソワします。18年ぶりの十二国記新作発売後で、色々盛り上がっている気配を感じるからです。とても行きたい!!  コミケには過去に何度かサークル参加した事があります。……晴海時代に。当時もかなりな人混みで体力的に辛かった思い出がありますが、今は桁違いなんでしょうね。かなりメジャー化しましたもの。私のような中老は死にに行くようなものかも。  仮に行けたとしても、若者の中に混じって並ぶ自分の姿を想像すると……やっぱり恥ずかしい。精神年齢は20代

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        十二国記は私を懊悩させる高潔な姿見なのである

          「なお、この写真は自動的に消滅する」

           意を決してデジタル一眼レフを買ったのはいつだったか。まだミラーレス一眼が普及していない頃だったから十年くらい前だっただろう。私にとってはとても高価で、当時それはそれは大事に辿々しくホールドして写真を撮っていた記憶がある。今でもほとんどカメラに詳しく無いし、頻繁に失敗もする。しかし、デジタルなので気が楽だ。  私の生まれた頃、我が家の写真はまだ白黒だったが、三つ下の妹からはカラー写真になった。三年の差がうらめしい。どちらにしろ、まだフィルムや現像にお金がかかり、家にカメラが

          「なお、この写真は自動的に消滅する」

          メタセコイア まっすぐ空に

          #404美術館 長い夏の終わり 

          メタセコイア まっすぐ空に

          10月初めに訪れた巾着田。木立の足元を埋める彼岸花はそれはみごとな群生だった。写真を撮る私の耳に、「あの世みたい」と言うお年寄りの感嘆が流れてくる。 ふとあの世、彼岸には彼岸花は咲いているのだろうかと考えてみたが、こればかりは行ってみなければわからない。

          10月初めに訪れた巾着田。木立の足元を埋める彼岸花はそれはみごとな群生だった。写真を撮る私の耳に、「あの世みたい」と言うお年寄りの感嘆が流れてくる。 ふとあの世、彼岸には彼岸花は咲いているのだろうかと考えてみたが、こればかりは行ってみなければわからない。