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昔、ヘイヨーさんの友達がダイエットした時の話

アブちゃんの話しましょうか?アブちゃんの。

昔、ヘイヨーさんと物凄く仲の良かった友達がいたんですよ。

名前を「アブちゃん」って言うんですけど。なぜかと言うと、道を歩く時にいつも「アブ~」「アブブ~」って奇妙な声を発しながら歩くからなんです。

わかんないコトとかあると「アブ?」って疑問形で答えるんです。ブの部分を上げぎみに発音するんです。「アブ?(↑)」って感じで。

あと、路上でよくベロを出して歩いてましたね。年がら年中ベロベロやってましたよ。


ま、それはいいんですけど。

そのアブちゃんがね。ある日突然「ダイエットする!」とか言い始めたんです。元々超太ってるタイプで、体重どのくらいあったのかな~?0.1トンくらいあったんじゃないですかね?

「カレーは飲み物」ってのが口ぐせでした。

あと「ヘイヨーさん。デブの思考回路って知ってます?昼ご飯食いながら、夕ご飯は何食おうかな~?焼き鳥にしようかな?あ、親子丼もいいな~なんて考えるんですよ。今、かつ丼食ってるのに」ってよく言ってました。

それを聞いて、ヘイヨーさん「名言だ!」と思いましたね。


そのアブちゃんが、まさかのダイエットですよ!世界で一番似つかわしくないワードなんじゃないですかね?最も縁遠い場所に住んでる人間ですよ。

「まさか!?」と思って本気にしなかったんですよ。「どうせすぐに飽きてやめちゃうだろうな」くらいに考えてました。

ところが!ところが!これが本気だったんですよ!マジマジの本気モード!

そのダイエット方法ってのがね。いたってシンプルなんです。「食事の量を減らして、毎日ひたすら走り込む」っていう、これだけ!たったこれだけのことをひたすら続け続けるんです。

どのくらいだったかな~?3ヶ月だったか、半年だったか、とにかくアブちゃんは走り続けたんです。で、それに比例するようにどんどん痩せていくんです。

そしたら、どうなったと思います?

「幻聴が聞こえ始めた」って言うんですよ。心の中にもう一人の自分がいて、デブだった頃のアブちゃんですよ。そいつが地の底の牢獄に閉じ込められていて、こう言うんです。

「出してくれよ~」

その言葉を無視して走り続けたらね。また聞こえてくるんです。

「食わしてくれよ~」って。

それでも無視して走り続けます。そしたら…

「お前、そんな奴じゃなかったろう?食いたい時に食って、寝たい時に寝て、太りたいだけ太ってただろう?オレを裏切る気か?」と、こうくるわけですよ。

「ええい!うるせぇ!うるせぇ!もうお前とは縁を切ったんだよ!オレは痩せるんだ!痩せてかっこよくなって、女の子にモテるんだ!モテてモテてモテまくるんだ!だから、邪魔すんな!」と。

そう言って、アブちゃんは走り続けました。「出してくれよ~」「食わしてくれよ~」っていう声を無視し続け、来る日も来る日も走り続け、ついにダイエットは成功しました。

元々相撲取りみたいだった身体はゲッソリと痩せ、幻影旅団のノブナガみたいになっていました(ちょうどヒゲも生やしてたし)


ヘイヨーさん、それを見てポツリとつぶやきました。

「アブちゃん、よくやったね。でも、ヘイヨーさんはちょっと寂しいよ。太っちょで気の良かった昔のアブちゃんは、この世界から消滅しちゃったんだね…」と。

noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。