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武士は食わねど高楊枝?

自分の家に泊まっていった美嘉ちゃんに手を出さなかった青年。どうやら青年は男ではなかったようです。

でも、「武士は食わねど高楊枝」って言葉もありますからね。男ではなくとも武士ではあったのかも(え?意味が違うって?)


唐突ですが、ここで別の物語を紹介させていただきます。

タイトルは「ヘイヨーさんの人生 外伝 キザオ君とチガサキ君 ~出会いから縁が切れるまで」

なんと!作者はあのキザオ君です!この物語の読者なら、皆さんご存知ですよね?

キザオ君もまた、青年と同じように少年時代、親の「教育」という名のエゴのもと、地獄の日々を過ごしていたのです。

そうして、チガサキ君(こっちも皆さんご存知のはず!)と出会い、紆余曲折があってチガサキ君と決別の時を迎えるまでを描くのだとか!

「ヘイヨーさんの人生」フリークは必読!


話を元に戻しましょう。

その後も美嘉ちゃんの積極的アプローチという名の攻撃は続きます。ところが、青年はそのたびにつれない態度を取ってしまい、美嘉ちゃんの心を傷つけるのでした。

たとえば、こんなコトが…

ある日、青年が家に帰ると部屋の前に段ボール箱がいくつも積まれていました。中身を確認すると、女性モノの服が段ボールいっぱいに詰まってるのです!それも何箱も!

送り主を確認すると、美嘉ちゃんでした。美嘉ちゃんは服を買うのが趣味みたいなもので、稼いだお金は片っ端から好きな服を購入するのに使ってしまいます。それらを青年の家に送りつけてきたのでした。

「もう…なんでこんなコトするんだろう」

そう思った青年は、ケン兄貴の協力を得て、段ボール箱を台車に積み込み、エッコラヨッコラと美嘉ちゃんの住んでいるアパートまで運んでいきました。

全ての荷物を運び終えた頃、ちょうど雨が降り出しました。もしかしたら、それは美嘉ちゃんの涙だったのかもしれません。

「ここに置いておいたら濡れちゃうんじゃない?」とケン兄貴は言いましたが、青年は「大丈夫!大丈夫!軒下(のきした)だから!」といつものポジティブシンキングで乗り切りました。そもそも、無理やり荷物を送りつけてくる美嘉ちゃんの方が悪いのです。


決定的だったのは、あの夜のコトだったでしょうか?

何かの機会に青年はまた美嘉ちゃんと2人で会ってたんですよ。で、流れから、美嘉ちゃんのアパートに行くことになってしまいました。

確か「今夜は寝かせないよ」的なセリフをはいたような気がします。

すると、それを聞いた美嘉ちゃんは「え?あなたがそんなコト言うなんて珍しい!」みたいなコトを言ってきました。

さらに、その言葉を聞いた青年は、美嘉ちゃんの住んでいるアパートの部屋の前できびすを返し、そのまま去っていってしまいました。

それから、しばらくの間、近所の公園のブランコに揺られたり、滑り台の滑る部分に寝転がったりして過ごし、自分の家へと帰っていきました。

「ここにもまた新しい物語が生まれたな…」などと考えながら。


それ以来、美嘉ちゃんからのアタックはパタリと途絶えてしまいました。

さすがに「ダメだ、コイツ…」と見切りをつけられたようです。


ただし…

このルートも、このままでは終わりません。ちょっと予想外の事態へと発展していくことになります。

けど、そのお話はまたいずれ。今は別のお話を語ることにいたしましょう。

noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。