歴代スイーカ嬢の秘密(「2121 ~100年後の未来~」 第42話)
メララを始めとして、歴代のスイーカ嬢には、ある秘密がありました。
実は、スイーカ嬢はひとりの人間だったのです。いえ、正確に言えば少し違います。
「スイーカ嬢は、全員が別の人間であり、同時にひとりの人間」でもありました。
説明が必要でしょう。
現スイーカ嬢がこの世を去ると、次のスイーカ嬢が選ばれます。その際、「引き継ぎの儀式」が行われます。この時、まさに「スイーカ嬢は引き継がれる」のです。文字通りの意味で。
前の世代までのスイーカ嬢の魂と記憶は、次の世代へと引き継がれます。能力を受け継ぐことで、どんどん蓄積していき、無限に成長できる。それが「スイーカ嬢の超能力」の秘密。
そこには大きなリスクもあります。頭の中で、常に複数人の声が鳴り響き、会話する。その状態に耐えられず、自ら命を絶ってしまう者もいます。よって、スイーカ嬢は短命の者が多かった。
それでも、メララは懸命に耐え、自らの使命をまっとうしようとがんばります。なので、子育てに割いているエネルギーなど残されていなかったのです。
noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。