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誰のために書き続けるのか?

今回も、Webライターのお話。

でも、全ての「文章を書き続ける人」や「創作に関わってる人」の話題でもあります。


攻略法はあるけれど…

Webライター業界には「アクセス数を稼ぐテクニック」というのは、確かにあります。ただ、「それを使えば、幸せになれるか?」というと、それはまた別の問題です。

たとえば、世の中には「モテる恋愛術」みたいなのがあって、その手のテクニックを使ってホテルに異性を連れ込んだとして、結果的に不幸になるコトがあるようなものです。


ライターからすると、「攻略テクニックを使ってアクセス数を稼ぐような文章を書いていても、段々つまらなくなってくる」んですよ。

そうではなく、「もっと実のある文章」「充実感を味わえる文章」を書きたくなってくるんです。

ところが、クライアントさん(ギャラを払ってくれる人)からすると、「そこはビジネスなので、内容なんてどうでもいいから、よりお金が儲かる文章を書いてくれ」と依頼が来るわけです。

このジレンマに苦しむんですね~


みんなが同じ攻略法を使ってると、廃れてくる

もう1つの問題として、「みんなが同じ攻略法を使い続けると、効果が薄れてくる」というモノがあります。

たとえば、映画業界でヒット作が生まれると、他の会社も「あの作品と同じようなモノを作ってくれ!」と依頼が来るようになります。『ゴッドファーザー』だろうが『君の名は』だろうが、みんなそうですよ。

あるいは、飲料品メーカーでバカ売れした飲み物が生まれると、他社もみんな似たようなデザインで似たような飲み物を発売しますよね?コーヒーだとかビールだとかノンアルコール飲料だとか。

なぜかというと「安全に、そこそこヒットが望めるから」なんです。

Webライター業界も同じで、検索サイトの上位に位置するサイトを解析して「あそこと似たような文章で、かつパクリじゃないモノを書いてくれ!」って依頼が来るんです。

でも、みんながそんなコトをやってたら、どんどん「コピーのコピーのコピー」みたいな事態になってしまいます。

もちろん、うま~くマネする人がいて、網の目をかいくぐるように丸パクリにならないように上手にアレンジする人というのが現われてきます。そういう人を雇ってる会社は生き残ります。

それでも、時と共に業界全体が「似たようなモノ」しか作れなくなっていっちゃうんですね。こんなの、マンガだろうがアニメだろうがゲームだろうが、みんな一緒ですよ。

「攻略法って、ひとりが使ってる内は大儲けできるんだけど、みんなが使うようになってくると、共食いになっちゃう」んです。


逆に、独自性のある作品が望まれるようになってくる

そうすると、今度は逆に「攻略法に反したり、完全に無視したりする作品」が日の目を見るようになってくるんです。

たとえば、ピカソだとかダリだとか岡本太郎さんがやったのも、これですよ。

「みんなが攻略法に従って似たような作品しか作らなくなったものだから、あえてそれと反対のコトをやったり、全然違う手法を用いて製作するようになった」んですね~

こういうのを「アンチ」とか「メタ」とか「ダダイズム」とか呼びます。


対検索サイトシステム

さらにいえば、「検索サイトとの戦い」もあるんです。

この場合の検索サイトとは、主に「Google」のコトなんですけど。Googleもマヌケではないので、日々検索システムをバージョンアップしてるんですよ。

で、昔は「文中に大量のキーワードを含ませる」といった単純な攻略法が通用してたんです。だから、長文を書くだけでも検索サイトの上位に位置できた時代がありました

でも、今、こんな単純なテクニックは通用しません。むしろ「無駄に長い文章」とか「他の人のマネをした内容」だとかは、検索順位を下げられるくらいです。その辺のAIも進歩してますからね。


Webライターに望まれる能力は日々上がってきている

なので、Webライターも要求スペックがどんどん上がっていくんですね。

「あそこのサイトと同じような内容で、かつオリジナリティのある文章を書いてくれ!」なんて依頼が来るわけです。

でも、それって、そもそも矛盾した命令なんですよね。矛盾してるんだけど、どうにかこうにか持っている能力を駆使して対応してるのが現状です。


仕事内容の割に合わなくなってくる

そうこうしている内に「望まれている能力はとんでもなく高くなっている」のに「もらえるギャラは、相変わらず安いまま」という現象が起きてきます。

これでは、ライターの方もやる気を失ってしまいますよね?それが理由でやめていく人も大勢います。

Webライターだけでなく、イラストレーターなんかも安いモノですよ。みんながみんな絵を描きたがるモノだから、どんどん単価が下がっていって、その割に要求される技術力は上がっていくので、割に合わなくなる一方です。

なので、業界で生き残れる人なんて、ほんの一握りに限られるわけなんですね。


では、誰のため、何のために書き続けるのか?

じゃあ、「何のために書き続けるのか?」ですよね。

1つには「お金のため!」と割り切って、どんなにつまんない仕事でも淡々とこなし続ける人がいます。これはこれで立派なモノです。プロフェッショナルですよ。

ま、そもそも、仕事なんてそんなものですからね。いかなる仕事も「おもしろい」とか「つまんない」に関係なく、究極的にはお金のためだとも言えます。

でも、その一方で「楽しさ」とか「充実感」がないと続けられない人がいるのも、また確か。

なので、お金とは別に「自分がやりたいコトをやるため」とか「読者のため」と信じて続けている人もいます。

たとえば、「マンガ家がなんでマンガを描き続けるのか?」とか「アニメ制作会社が、どうしてアニメを作り続けるのか?」ってのも、この辺に理由があるはずです。ただ単にお金を稼ぎたいだけなら、別の仕事を選ぶでしょうからね。

noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。