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アメリカ行きの飛行機の中で出会った根性社長!

さて、アメリカに旅立つコトが決まった青年でありましたが…

前日まで演劇の練習をやっていたので、旅の準備もギリギリでした。

翌日、遅刻しそうになりながらも、どうにかこうにか成田空港にたどりつきます(初心者がやりがちな、羽田と成田を間違わなかったの偉い!)


今回利用したのは「ユナイテッド航空」という航空会社。当然ながら、機内での受け答えは全て英語で行われます。

例の超有名な「ビーフ or チキン?」ってのもやって来ます。狭い通路ギリギリいっぱいにカートを押しながら「武田鉄矢さんに似た客室乗務員(スチュワーデスならぬスチュワード?)」が、「ビーフ or チキン?」っていちいち全員にたずねながら進んでくるのです。

実は、現代ではスチュワーデスとかスチュワードって呼び方使わないんですよね。男女の区別がある呼称はどんどんなくなっていって、客室乗務員は「キャビンアテンダント(CA)」と呼ばれるようになってきました。

たとえば、カメラマンは「フォトグラファー」

「『マンホール』もエロいからダメ!」とか。

さらに極端になっていって、「HeとかSheも使わない方がいいのでは?」などという議論まで生まれています。


さて、待望のお食事ですが。青年はドキドキしながら武田鉄矢さんに「ち、ちきん…」と震えながらちっちゃい声で答えました。

「お前がチキンじゃ~!」とツッコミ入れたくなるような臆病な小声でした。

だって、生まれて初めて実戦で英語使ったんだもん!戦場に出るの初めてだったんだし、しょうがないでしょう!

さらに「カフェ or ティー」みたいなコトもきかれたので、再び子ネズミみたいに震えながら「てぃ、てぃーぷりーず…」って答えました(今度は勇気を出してプリーズを後ろにつけて)

青年には、こういう部分がありました。戦場に出ると「ちょっとでも成長してやろう!」と思って、前回よりも1つでも難しいコトをやろうと挑戦するのです(実は、これこそが英語上達の秘訣だったと後々知ります)


ところで、青年の横には、超ワガママなお客さんが乗っていて…

「なんで、ワシがエコノミーなんじゃ!ビジネスクラスに換えろ!ビジネスクラスに!」って飛行機が飛び立つ直前まで、携帯電話を使って散々文句言ってます。

飛行機が飛び立ってからも、「食事がマズい!こんなもん食えるか!」って文句タラタラです。どっかの社長か何か知らないけれど、チラリと目をくれただけで全く手をつけようとしないんです。

昨日までろくな物を食べていなかった青年は、蛍石を食らうマンモスマンのごとく「ウメ~ッ!ウメ~ッ!」言いながら、全く同じメニューをがっついてます。

「いらないんだったら、もらえますか?」ってよっぽど言おうかと思ったけど、あまりにも意地汚いかと思ってやめにしときました。

それからも、社長(?)は、横に座っている秘書っぽい人に向かって、ずっと文句言ってるんです。

ちなみに、この秘書の方は「中野区ボランティア副会長の内山さん」(母子寮のボランティアで、ずっとイスに座ってばかりいた)っぽい人で、社長の罵詈雑言にも「はいはい、またなのね~」みたいに涼しい顔して聞いています。

さらに、社長はエコノミークラスの座り心地がよくなかったらしく、自分の席に戻ってこず、ほとんどの時間は機内の後ろの方で立って過ごしてました(確か、この時代は機内でタバコが吸えてたので、ずっとタバコ吸ってたはず)

でも、飛行機が飛んでる時間ずっと(12時間くらい)後ろの方で立ってるんですよ!それを最後まで貫き通してるんです!逆に凄くないですか?

「やっぱ社長になるような人間は根性からしてケタが違うな~」と感心しました。

そして、「世界って広いな~!やっぱ、外国は行ってみるもんだ!」とアメリカの大地を踏みしめる前から感動する青年でありました。

noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。