ワクチンパスポートの運用始まる
「コロナで世界を学ぶ」第27回。
今回は「ワクチンパスポート」について。
ワクチンパスポートとは何か?
現在、世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスですが。ワクチンの接種が進んでいることもあり、徐々に沈静化しつつあります。
そんな中で、多くの国は「他の国との行き来が制限されている」状態にあります。海外との行き来は、以前の5%以下とか、そんなものですよ。
で、いつかはこの状態を解除しないといけないんです。でも、解除すると、ウイルスが入ってきて大量の感染者を出してしまう。
「困ったな~」みたいなコトになってるんです。
そこで、登場したのが「ワクチンパスポート!」
「ワクチンを打ち終わってるか、コロナの陰性証明があれば、うちの国に入っていいですよ」っていう許可証みたいなものです。
ワクチンパスポート、具体的にはどんなモノ?
たとえば、ヨーロッパで運用が開始されたのは「グリーンパス」と呼ばれるモノで、デジタル証明なので「スマホのアプリ」になっています。
中国で以前から使われているのも、同じようなモノですね。中国では早くからこの手のアプリの運用が始まっていて、お店に入って買い物をしたり、電車に乗る時に必要になります。
逆をいえば、スマホを持っていなければ、どこにも行けないし買い物もできないという世界。
元々、中国では電子決済が非常に進んでいたので、ほとんどの人がスマホ1台で買い物を済ませるという状態でした。なので、導入もスムーズに行えたわけです。
ちなみに、日本は7月の26日から、ようやくワクチンパスポートが発行してもらえるようになります。ただし「紙の証明書」でw
「電子立国」と呼ばれた日本ですが、実は世界的に見るとかなり遅れてるんですね~
空港は大混乱
ワクチンパスポート、夢のようなシステムに思えるかも知れません。けれども、いろいろと課題があります。
まずは、運用開始したばかりなのでヨーロッパの空港は大混乱。ま、これはなんでも同じなので、時間と共に混乱は収まっていくでしょう。
世界統一基準を作るのは難しい
それから「各国で基準が違う」コトもあげられています。これは結構厳しいんですよね。
たとえば、中国では「中国製のワクチン」を認可してるんですけど、カナダやヨーロッパでは「中国製のワクチンでは、ワクチンを接種したとは認められない」としています。
だから、中国の人がヨーロッパに旅行に行こうと思ったら、コロナの陰性証明を取らないといけないわけです。
すると、どうなるかというと…
中国の方も「じゃあ、うちの国も、他国の開発したワクチンを認めてやんない!」と来るわけです。これを「報復措置」と呼びます。
こういうコトをやってると、いつまで経っても共通のワクチンパスポートは作れないままです。
また、国によって、使っているアプリが違うので、そういう意味でも世界共通にならないんですね。
ヘタをすると、「スマホ内にいくつものアプリをダウンロードしておかないといけない」という事態になってしまいます。これは、非常に不便ですよね?
そこまでするなら、逆に「日本みたいに紙の証明書の方が便利なんじゃないか」っていうw
あとは、「ワクチンを打っていない人をどうするか?」ですね。
現状だと「72時間以内に取得した陰性証明が必要」みたいなルールがあるんですけど、これだと3日に1度はPCR検査を受けないといけないことになります。そのたびにお金もかかります。
事実上、「海外旅行したいなら、みんなワクチン打て!」ってコトなんでしょう。
さっそく偽造する者が現れる
ちなみにフランスでは「意地でもワクチン打ちたくない人」が、他の人に頼んでワクチンパスポートを偽造してもらうという事件が起こっています。
中には「同姓同名の人にお金を払って、ワクチンパスポートを買い取ろうとする」なんて人まで現れる始末。
もちろん犯罪ですwこんなコトをすれば罰金を取られます。
海外の行き来だけではなく、映画館や美術館、飲食店の入店の際にもパスが必要になる国もあるので、こういうコトが起こってるんですね~
noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。