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テレアポによる未納電話代金の取り立てのお仕事

さて、お尻の穴がピンチになって「もう、こりごり!」と感じた青年、今度は「もうちょっとまともな仕事を探そう…」と決心します。

そこで、ハローワークなどには行かず「人材派遣会社」に登録しました。派遣会社ならば、相場よりは高めのお給料で働けると思ったからです。


しばらく待っていると、さっそく新しいお仕事の依頼がありました。「テレアポ」のお仕事。

テレアポって何か知ってます?

「テレフォンアポインター」の略。簡単に言えば、お客さんに電話をかけて、商品の売り込みをかけたり、借金の取り立てをする職業です。いわば、電話で行う営業みたいなものですね。

で、実はこの青年、テレアポの経験がありました。

アレは21歳の時、マンガの学校を卒業した直後のコト。「あの人」と出会う前の頃です。その時は、借金の取り立てのテレアポでした。

当時、「電話をかけて女の子と仲良くなるサービス」ってのがあって。それが1分100円とかするんですよ。で、100分とか200分とか使って、料金を払わずにバックレる輩というのもいて。その人たちから料金を請求するというのがお仕事の内容でした。

しかも、青年はこのお仕事得意だったんです!

コツは感情的にならないこと。ただ、淡々と料金を滞納していることを伝え、請求するだけです。

「こんにちは♪バナナっこランドです。〇月×日にご利用された料金の方、お支払いが確認できておりません。まだのようならば、至急お支払いください」

このメッセージを留守電に入れておくだけ。で、相手が電話に出たら交渉開始!

冷静に「料金お支払いいただいてませんよね?」と口頭で伝え、「いつになるますか?」「お給料日が25日?じゃあ、25日即日にお支払いお願いいたします」といった感じで約束を取りつけるだけ。

ね?簡単でしょ?

…と、言葉で伝えると簡単そうに思えるかもしれませんが、意外と難しいんですよね。これ、できる人とできない人のまっぷたつに別れます。青年は「できる人」でした(もっとも、「マスター・オブ・ザ・ゲーム」の能力もあったので、何やらせてもそこそこのレベルまではできたんですけどね)

まず、「相手に聞こえる声でハッキリとしゃべる」という、この基本ができないといけません。意外とできない人が多いです。

次に、相手が電話に出てからの交渉作業。これが、苦手な人は全くできません。留守電のメッセージだけで料金を払ってくれる人なんて、ほとんどいません。留守電のみで取れたら「ラッキー!」くらいの感覚です。9割は直接交渉で支払わせます。

さらに、「1回の約束で払わない人」もいます。その場合、徐々に相手を追い込んでいき、最終的に未納代金を支払わせるようにします。1度約束を破った人は大抵「常連」なので、2度も3度も破ります(たまに、ほんとに忘れてただけの人もいる)

どうしても駄目な場合、「魔王の能力」を使います。言葉づかいのみいつも通り淡々としゃべり、普段よりも低いトーンに変え、声で相手を威圧するのです。コツは「魔王になりきること!」

ここまでで8~9割の人はちゃんとお支払いいただけるんですけど、中にはどう~しても無理な強敵もいます。そんな強敵に出会った時は、素直に「上の人」に渡します。上の人は、もっと強いんですよね~

見るからに柄が悪そうで、ヤクザみたいな感じの人。みんなからは「組長」と呼ばれてました(※あくまで「あだ名」モノホンのヤクザではありませんw)

組長にかかれば、さらに8~9割の確率で支払ってもらえます。でも、それでも倒せない相手ってのもいて…そういう人はどうなるんでしょうね?

別の会社に回されていましたけど、もしかしたら本物のヤクザの取り立てにあっていたのかもしれません。上部組織がそれっぽい感じだったので。

noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。