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ダビデとゴリアテは蛇退治の話? 竜と蛇②

シャローム!
ホーリーランドツーリストセンターの平和です!
今回は私の大好きなダビデとゴリアテの物語についてです。
テルアビブ大学のプログラムでテル・アゼカにて発掘をしていた時

"ペリシテ人は戦いのために軍隊を召集した。ユダのソコに集まり、ソコとアゼカの間にあるエフェス・ダミムに陣を敷いた。"

サムエル記 第一 17章1節
聖書 新改訳2017

様々な国の聖書学者・考古学者・牧師から聞いたダビデとゴリアテの物語についての面白い解釈をまとめています。


ゴリアテが着ていたものに注目

竜と蛇シリーズの①「聖書でなぜ竜・蛇が悪の象徴になったのか?」にて解説しました、
ナハシュנָחָשׁ(蛇)
暗闇
を表すキーワードです。

ゴリアテが着ていた防具に注目してみると
(ヘブライ語のנ.ח.שという文字に着目してください)

וְכֹ֤ובַע ⭐️נְחֹ֨שֶׁת֙עַל־רֹאשֹׁ֔ו וְשִׁרְיֹ֥ון קַשְׂקַשִּׂ֖ים ה֣וּא לָב֑וּשׁ וּמִשְׁקַל֙ הַשִּׁרְיֹ֔ון חֲמֵשֶׁת־אֲלָפִ֥ים שְׁקָלִ֖ים ⭐️נְחֹֽשֶֽׁת׃

1 Samuel 17:5 (BHS OT)

頭には⭐️青銅のかぶとをかぶり、鱗綴じのよろいを着けていた。胸当ての重さは⭐️青銅で五千シェケル。

サムエル記 第一 17章5節
聖書 新改訳2017

そうなんです。
ヘブライ語でנְחֹ֫שֶׁת(ネホシェト)は青銅を意味する言葉で、ナハシュנָחָשׁ(蛇)との言葉遊びのように感じます。
ちなみに、モーセが掲げた青銅の蛇נְחַ֣שׁנְחֹ֔שֶׁת(ナハシュ ネホシェト)です。

さらに、鱗綴じという表現、
ゴリアテ竜・蛇として表現しているように感じませんか?

5つの石が象徴するもの

וַיַּלְבֵּ֨שׁ שָׁא֤וּל אֶת־דָּוִד֙ מַדָּ֔יו וְנָתַ֛ן קֹ֥ובַע‬ ⭐️נְחֹ֖שֶׁת עַל־רֹאשֹׁ֑ו ‬וַיַּלְבֵּ֥שׁ אֹתֹ֖ו שִׁרְיֹֽון‬׃

1 Samuel 17:38 (BHS OT):

サウルはダビデに自分のよろいかぶとを着けさせた。頭に⭐️青銅のかぶとをかぶらせて、それから身によろいを着けさせたのである。

サムエル記 第一 17章38節
聖書 新改訳2017

サウルの青銅のかぶとを断ったダビデは五つの石を取ります。

そして自分の杖を手に取り、川から五つの滑らかな石を選んで、それを羊飼いの使う袋、投石袋に入れ、石投げを手にし、そのペリシテ人に近づいて行った。

サムエル記 第一 17章40節
聖書 新改訳2017

この五つという数字はイエス・キリストの五つのパンと二匹魚の奇蹟同様

トーラ(モーセ五書)を表すと解釈できるかもしれません(5という数字は聖書において神様の恵みを表す数字として解釈される場合もあります)

その場合、ダビデは蛇(青銅の防具)には従わず(頼らず)、神様に信じ従うということを表します。

神様を冒涜する者は石打ちの刑

さらにさらに!

ダビデは、そばに立っている人たちに言った。「このペリシテ人を討ち取って、イスラエルの恥辱を取り除く者には、どうされるのですか。この無割礼のペリシテ人は何なのですか。生ける神の陣をそしるとは。

サムエル記 第一 17章26節
聖書 新改訳2017

ダビデはイスラエルの神様を冒涜するゴリアテに非常に腹を立てます。

レビ記(トーラ)を見てみると

主の御名を汚す者は必ず殺されなければならない。全会衆は必ずその人に石を投げて殺さなければならない。寄留者でも、この国に生まれた者でも、御名を汚すなら殺される。

レビ記 24章16節
聖書 新改訳2017

すごくないですか!?
ダビデが選んだ五つの石はこんなにも深い意味合いがあったのです!

神様を冒涜する竜・蛇を退治するダビデ

ダビデが投げた石はレビ記24章16節にあるように、

ダビデは手を袋の中に入れて、石を一つ取り、石投げでそれを放って、ペリシテ人の額を撃った。石は額に食い込み、彼はうつぶせに地面に倒れた

サムエル記 第一 17章49節
聖書 新改訳2017

ゴリアテの額を撃ち、ゴリアテはうつぶせに倒れます

この詳細とても大事です!!

竜・蛇と表されていたうつぶせのゴリアテ土(ちり)が入るということです。

神である主はに言われた。「おまえは、このようなことをしたので、どんな家畜よりも、どんな野の生き物よりものろわれる。おまえは腹這いで動き回り、一生、ちりを食べることになる。

創世記 3章14節
聖書 新改訳2017

また、エラの谷で発掘をしていた時にアメリカの牧師先生から聞いた話では
このうつぶせは、ゴリアテがイスラエルの神様こうべを垂れる行為として受け取ることもできるかもしれません。

切り落とされたゴリアテの頭が象徴するもの

わたしは敵意を、おまえと女の間に、おまえの子孫と女の子孫の間に置く。彼はおまえの頭を打ち、おまえは彼のかかとを打つ。」

創世記 3章15節
聖書 新改訳2017

この女と蛇の子孫が対立する描写
ヘブライ語聖書にて繰り返し使われるモチーフですが、ダビデとゴリアテの物語でも見れます。

ダビデはゴリアテの頭を切り落とします。

今回のように繰り返し使われるモチーフが新約聖書で
イエス・キリスト
全て繋るというのが聖書の面白いところであり、素晴らしいところですよね!

最後に

ユダヤ教においてサムエル記は預言書(ネヴィイム)に分類されています。

この二つの戒めに律法と預言者の全体がかかっているのです。

マタイの福音書 22章40節
聖書 新改訳2017

イエス・キリスト自身も言われる
律法(トーラ)預言書(ネヴィイム)
ですね。
この二つに諸書(ケトゥヴィム)を合わせてヘブライ語聖書があります。

ダビデとゴリアテの物語は神様の蛇に対する預言の成就の一例としても読むことができます。(究極的に成就するのはイエス・キリストの十字架です

竜と蛇シリーズまだまだ続きます!

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参照

Readings from the Ancient Near East: Primary Sources for Old Testament Study (Encountering Biblical Studies)

Ancient Near Eastern Thought and the Old Testament


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