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距離

白い白い月を見上げた時に
黙って言葉を待った後
触れた指先に走る痺れに
手を引っ込めたのは恐らく定め

あと五年早く、あるいは一年遅く
降り出した雨の理由が
こんなに残酷なこともそうない

あと十年早く、あるいは三年遅く
その決意は何のため
この誓いは誰のため

あと十五年早く、あるいは五年遅く
君にその自覚があったのか
私にその認識はなかったのか

あと二十年早く、あるいは百年遅く
湿気っていたのは幸か不幸か
凍る星は全てを見ていた
私達がどこにいて、どこに向かうのか

万が一集まったら製本してコミティアで頒布します