蛙
ある雨上がりの朝
一匹の蛙が僕を見上げていた
やぁ、いらっしゃい
君はひとりで来たのかい?
二つの小さな丸い目が
茶色いサンダルに乗っかって
静かに僕を見つめている
今日はいい天気になりそうだ
明日は友達も連れておいでよ
返事は帰ってこないけれど
僕はそっと窓を開けたまま
椅子に座り仕事に取り掛かる
次の朝、花に水をあげようと
庭に出て足元に目を向けると
三匹の蛙が縁石の上から
並んで僕を見上げていた
やぁ、いらっしゃい
今日は友達も連れて来たんだね
茶色いサンダルも嬉しそうに
揃って僕を見つめている
作りかけのステンドグラスが
差し込む眩しい朝の光を映して
僕の暗い部屋の机の上に
小さな虹をかけていた
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