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カブの旅 第32話「七北田川ラーメンナイト」

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(タイトルの画像はどこのだ?)
 この記事を書いている最中に、カブが話しかけてくる。相変わらずどこに目や耳があるのかわかったものじゃない。カブに耳あり……なんていう言葉が思い浮かんだ。
「七北田公園だよ」
(ああ、昨日行った公園か)
「そうそう」
 七北田公園は仙台市泉区泉中央の、地下鉄泉中央駅から程近い、ベガルタ仙台のホームグラウンドであるユアテックスタジアム周辺に広がる公園だ。整備された遊歩道や芝生が綺麗で気持ちのいい空間となっている。
(昼間ならそうかもしれないが、夜だと暗すぎてどこだかすらわからないな)
「この画像は加工しているしね。加工前の写真出すよ」

(いやこれでも全然わからないんだが……)
 夜の七北田公園は外灯がまばらにあるだけなのでかなり暗い。さすがのiPhoneXRもこの光量だとまともな撮影は厳しい。
「じゃあこれなら? 七北田公園といえばこれ、みたいなものを撮ったんだけど」

(何だこの怖いのは。心霊写真か)
「いや、ベンチに座っている銅像。夜だとすげー怖い」
 公園に入るとすぐに、なぜかベンチに腰掛けている銅像に出迎えられるのだった。明るい日中ならいいが、人気のない暗闇の中で、ベンチの上で微動だにしない人影と出くわすのはちょっとしたホラーだ。夜に七北田公園に行く時は注意した方がいい。

  *

 で、そんな七北田公園にカブで何をしにいったのかというと、先日仕入れたシングルガスバーナーとクッカーセットを試すためだった。
(結局買ったんじゃないか)
「ま、まあこれなら家で一人鍋もできるから……」
 と自分に言い訳して購入したのはこちらの商品たち。

 クッカーは百円ショップを探したのだけど見つからなかったので、通販で安いものを適当に選んだ。使ってみたところ調理は問題なくできた。持ち手が熱くならないところや、付属のナイフやお玉が地味に役立つのがナイスなポイント。

 バーナーの方はネットのレビューを見て決めたのだけど、さすがに評判がいいだけあって使いやすく質感もよかった。手に入れやすいカセットボンベ式で、着火スイッチもついていて火力の調節もきく。折り畳み機構はガジェットオタ心をくすぐるし、展開した姿が月に着陸した宇宙船みたいなところもSF好きにはぐっとくる。シングルガスバーナーを探している人にはおすすめできる商品だ。

  *

 七北田公園内は火気使用不可なので、公園に接するように流れている七北田川の河原までいって火を焚いた。
 バーナーにボンベをつけ、クッカーで湯を沸かしてラーメンを煮ていく。小さいクッカーの場合は棒ラーメンの方が作りやすい。
*下の画像は作りかけや食べかけなので、ちょっと見苦しいかもしれない。

 隣では例によって例のごとくT氏がいて、炭を焼いていた。この日の仙台は気温が低く、夜には6〜7度くらいまで下がった。燃やした炭は暖がとれてよかったが、T氏がホムセンで買った3㎏の炭は明らかに多く、バイクで運ぶのには苦労した。

  *

 とりあえず手持ちの道具でどうにか料理ができるようだとわかったのは収穫だった。最近試しに『簡単バーナー料理』みたいなアウトドア飯の本を買ってみたので、今度はもう少し凝ったものを作ってみよう。
 その本によると、調味料がいろいろあると簡単に料理に幅ができていいらしい。また今回の反省点として、ラーメンを盛っても自重で潰れないようなきちんとした皿もあった方がいいとわかった。あとマイランタンも欲しい。コーヒーも飲みたい。

 バイクで走れば走るほど欲しいものが出てくる……沼はどこの沼も深いみたいだ。

その分活字を取り込んで吐き出します。