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エヌビディア決算で悪材料出尽くし、7週連続下落で底打ち、米国株はリバウンド
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エヌビディア決算で悪材料出尽くし、7週連続下落で底打ち、米国株はリバウンド

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マネックス証券 岡元兵八郎 (ハッチ)

先週のマーケットは非常に興味深い展開となりました。
市場のフォーカスは、マクロ的には25日に発表された前回5月3日・4日のFOMCの議事録の公開であり、株の世界のミクロ的なフォーカスはテクノロジーセクターの動向を左右する半導体大手のエヌビディアの第1四半期の決算発表でした。先週はS&P500がこれまで7週連続で下落する中、市場にはこれからもっと下がるという弱気派の意見も少なくありませんでした。そんな中発表されたFOMCの議事録についてはマーケットは恐れていたより悪くない内容であったと判断したようです。

さて次の注目は同じく25日の引け後に発表されたエヌビディアの決算発表でした。
エヌビディアはこれまでのS&P500やナスダック100など主要米国株指数のラリーを牽引してきたドライバーのうちの一社であり、次の1兆ドル銘柄の有力候補です。
地合いが悪い中、マーケットが必要としていたのはエヌビディアの好決算でした。株価が下がる中、このような大企業の業績が悪化するのであれば、株価の下げは正当化される訳であり、株価が上がるポジティブなニュースが必要でした。それは決して素晴らしい決算でなくても良いのです、マーケットの期待を裏切りさえしなければ。下落し続けるマーケットを止めるには、エヌビディアのようなGAFAM系の規模の銘柄の決算が安心感を与えることが必要だったのです。

さて、水曜日の引け後に発表されたその待望の決算発表の結果はというと、第1四半期の決算発表は事前予想を上回ったものの、次の第2四半期の見通しについては売り上げが事前予想を下回った内容を発表しました。これを受け引け後のエヌビディアの株価は一時7%を超えて下落しました。
これにより折角ボトムをつけたと見られていたS&P500やナスダック100もさらに翌日下がると思われたのですが、翌日のマーケットでは、エヌビディアの株価は上昇、それによりS&P500やナスダック100も上昇することになったのです。エヌビディアの評価については、証券会社による業績や目標株価の下方修正等も少なくなかったのですが、株価は結局この日5%上昇、ナスダック100の方は1.5%上昇、S&P500も0.95%上昇して1日を終えるのです。

最終的に先週1週間のリターンはS&P500は6.6%上昇、ナスダック100も7.2%の上げと2020年11月来の大幅上昇となりました。インフレ指数がピークをつけたのではないかという見方も市場の上げをサポートしました。注目されたエヌビディアの株価についても1週間で12.7%上昇して終えています。
あの引け後のエヌビディアの決算発表後の一時的な下げは一体何だったのだろうという感じではあるのですが、次回の決算のガイダンスを下げた理由としては、中国のロックダウンからくる影響やロシアからの売り上げ減とマーケットが納得できる理由だったということに加えて、結局マーケットはエヌビディアのガイダンスで悪材料出尽くしと判断したようです。

これまで年初から下げてきたマーケットは、利上げだけでなく、その後の景気後退さえも織り混むというこれ以上悪くなりえない極めて悲観的な状況であったのだと思います。 そんな中、マーケットにはバリューションにかなりの割安感がある銘柄が数多く出てきています。エヌビディアもそのうちの一つです。
エヌビディアの今年のEPSを見てみると4.44ドルと前年比77.6%の増益が予想されています。 昨年のエヌビディアのPERは68倍なのですが、先週末の同社の株価は188.11ドルですから今年の予想PERは42.4倍まで下がってきています。市場のPERより高いものの、同社の歴史的なバリュエーションより割安になってきています。ブルームバーグによると、先週下方修正があったもののアナリストのコンセンサス目標株価は258.85ドルと、現在の株価は先週末の引値から37.6%割安という見方となっています。

エヌビディアが今年3月に行ったアナリストディのプレゼンテーションによると、これまでゲーミング市場で急成長を遂げてきた同社ですが、同社の強みとするAI関連については企業のAIの採用はまだ始まったばかりであり、今後はデータセンター、企業向けAI関連等ソフトウエア、自動車など最大市場規模1兆ドルの市場で長期的な成長の機会があるとしています。

さて、今週のマーケットのフォーカスですが6月3日に発表が予定されている雇用統計です。
前回の42.8万人の雇用増に対し、今回は32.5万人が予想されています。

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ハッチ
マネックス証券、チーフ外国株コンサルタント。ウォール街のソロモンブラザーズ証券(現シティグループ証券)NY本社で6年、日本で20年一貫して米国株を含む外国株式の機関投資家営業、日系大手証券で4年半の外国株調査等を行い、外国株との付き合いは30年を超える。世界80か国以上訪問。