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リモートワーク向けに同軸モデム(DXアンテナ ECG12M1)を設置した

我が家のリモートワーク向けネットワークの変遷

(本編を見たい人は読み飛ばしてください)

2020年に流行が始まったコロナウィルスの影響を受け、我が家もご多分に漏れず在宅ワークへ移行しました。妻と私と犬しかいない家庭であり、幸い持ち家だったこともあって、リモートワークを行うための部屋は十分に確保できていました。妻は1階のリビング、私は2回の物置部屋みたいな場所を使って各々仕事をしていたのです。

リモートワーク開始当初、私は2Fで無線LANを使いながらインターネット接続をしていたわけです。最初は普通に仕事ができていた気もしていたんです…が、テレビ会議で相手の反応が悪い気がする。

「heicaさん、聞こえてますか?」「なんかheicaさんの声がおかしいです」

正直、原因は心得ていたんです。

我が家の無線LANルーターは気が向いた時しか2Fまで電波をお届けしてくれないのですから!

買ったときは「ASUSのすげーの買った!」と喜んでいたのに、今となっては憎きやつ!くそー!

そして私は決心したのです。「有線LANを引き込んでやる!」

そう決心した私は居ても立ってもいられず、コロナ禍で誰もであるかない2020年の春先に、仕事の休憩時間中にビックカメラへ。誰もが無言で買い物をし、みんな必要なものばかり買っているように見える。その横で私は20m LANを握りしめレジへ。人生で一度も扱ったことがなかったような長さのLANケーブルを購入し、なぜがホクホクしていた。

そして設置。ネットをいろいろ調べてみたところ、どうやら最近の家にはCD管なるものが通っているらしい。

ふむ、この家は中古物件だったが、5年前に建てた家なのだから、それくらい配慮しているだろう…

ない!!!!どう見てもCD管がない!!!!
…工事した建築会社、ちょっと来いや(震え声)

えー、絶望です。しかし背に腹は代えられない。我が家はリビングが吹き抜けになっており、私の2F作業部屋には吹き抜けに向けた窓がある。こうなったらもうアレです、1Fのルーターから天を這って2Fまで直つなぎです。

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イメージこんな感じですよ。まあそんなことはあったんですけど、無事有線で接続できまして、事なきを得たわけです。景観以外は。ちなみにうちの奥さんは1Fで作業してましたけど、同じようにネットワーク速度が出なかったんで、有線に切り替えました。はい、事なきを得ましたよ、景観以外は

転機「1Fへ気軽に行けない」

(本編を見たい人はここも読み飛ばしてください)

そんな状況で1年弱を過ごしてきたわけですが、転機が訪れます。私が転職することになり、有給休暇を消化する1ヵ月強の期間、暇人として過ごさなくてはならなくなったのです。その期間、飲食をするのもテレビを見るのも全部奥様の様子を伺わなくてはならない!奥様が仕事をしているのにリビングにでもいようもんなら「なに構ってちゃんですか?」って感じになるし嫌!

じゃあ奥さんの作業場を私の部屋に移せばいいんじゃない?って思うかもしれませんけど、もはや作業場は私の趣味部屋です。この部屋を奪われると、私のアイデンティーが崩壊します。そういえば昔、みうらじゅんの「アイデン&ティティ」って本を読んだのを思い出した。

というわけで奥様の作業部屋を「2Fの別の部屋」に移動することにしました。ええ、もちろんあのことは忘れていません。

我が家にはCD管がない!

そしてその部屋は吹き抜けに面していないんで、LANケーブルを這わせようと思ったら階段か窓経由です。より景観が損なわれてしまいます。

というわけで、無線LANではない、有線LANでもない、ほかの手段を検討し始めたのです。

同軸モデムを選んだワケ

以下、私が検討した手段です。

①今からCD管を通す、もしくは直接LANケーブルを引き込む

 屋根裏まで見た結果、今から配線を追加するのは無理と判断。1Fと2Fの間が間仕切りされており、まずそこを破壊する必要がありました。かつ、その狭いスペースを這って管もしくはケーブルを引き込まなくてはならない。無理。

②PCLモデムを使う

 なんとなーくどこかで見たような気がしていたのですが、今の世の中電源ケーブル経由で通信ができます。一番最初はこの方式が最有力でした。なんといっても価格が安い。

しかし以下の記事を読んで思いとどまりました。

記事中にありますが「家の中の配線」「分電盤」などの影響で速度が大きく変わってしまうようなのです。今まで250Mbpsで通信できていたものが数十Mbpsなどに下がってしまうと、私のe-Sports人生に多大な影響を与えてしまいます(ほとんどやってねーじゃねーかよ!)。そして何より、数字が下がってしまうというのはなんか損した気分じゃないですか。

③同軸モデムを使う

 そして最後に行き着いた方式がこれ「同軸モデム」です。「同軸ケーブル」ってご存じですか?あのテレビに接続している電波を受信するケーブルがあるじゃないですか。あれが同軸ケーブルです。そしてあのケーブルを接続できる端子って、いろんな部屋の壁にありますよね?あの端子経由でネットワークを構築することができるのです。それが同軸モデムと呼ばれる機器です。

具体的には以下を購入しました。親機と子機があります。

さて、スペックを見ていただいたらわかるのですが、ギガビットに対応しています。もちろんLANの差込口も対応(たまーに機器の処理能は数百Mbps、差込口は100Base-TXとかありますのでお気を付けください)。

【親機】
●メーカー:DXアンテナ
●型番:ECG12M1
●商品名:《DXデルカテック》 高速同軸線モデム
●親機
●自動登録タイプ
●2K・4K・8K対応
●屋内用
●登録機能:自動
●子機間通信:不可
●推奨接続台数:親機1台に対し、子機10台(最大30台まで)
●電源電圧:入力 AC100V 50/60Hz
●消費電力(W):4.2
●使用温度範囲(℃):-10~+50
●寸法(mm):高さ166×幅113×奥行36
●質量(g):440
●電源コード長(m):1.0
●ECOマーク表示品
●RoHS対応
●付属品:
・壁取付用ネジ(3.1×16mm)×2本
・F-5接栓(リング付)×2個
・MACアドレスシール×3枚(うち1枚貼付け済)
《接続端子》
●F形:
・使用周波数帯域(MHz):2~60
・変調方式:OFDM
・最大通信速度(Mbps):1000(理論最大速度)
・実効通信速度(Mbps):最大330(TCP)
・セキュリティ:AES 128bit暗号化
・端子数:2端子
・伝送損失(dB):3以下(70~3224MHz)
●有線LAN:
・通信モード:IEEE 802.3準拠(10Base-T・100Base-TX・1000Base-T)、MDI/MDI-X クロス/ストレート自動認識
・ポート数:1

というわけで速そう。そしてテレビの接続も邪魔しない。ちょっと値段は高いですが、長く使えることを考慮して同軸モデムを購入することにしました。

購入

Amazonでも購入できますし、ほかのサイトでも購入できます。自分はAmazonで購入しました。私の場合、単なる宅内NWなので親機1台、子機2台のみの購入です(自分の部屋にも導入する気満々)。

購入後、数日で到着。箱の中には本体と1枚ペラの説明書、設置用の金具だけ。説明書は以下と一緒です。非常に簡素な説明書なので最初は不安だったんですが、結局これ以上の説明はいりませんでした。昔気質のおやじみたいですね。

既に設置してしまっていていい感じの写真がないのですが、親機は本当にこのまんまです(製品サイトからもらってきました)。

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設置

さて設置です。最初は説明書の以下の例をもとに試行錯誤して配線してみたのですが…うまくいかない。親機と子機を分配機越しに接続したものの、テレビは映るけどネットワークは接続できていない様子。

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以下がうまくリンクアップしたときのランプ状態なのですが、そのときは「LINK」が赤い状態でした。ちなみにこのモデムは自動で親機と子機がリンクアップしてくれるため、接続後はただ待つだけです。が、最初はどれくらいの時間でリンクするのかわからないため、待てばいいのか対処が必要なのかわかりませんでした。不安しかありません。
(ちなみにちゃんと接続できていれば、リンクは10秒もかかりません)

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配線イメージはこんな感じ。

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今でもちゃんとは原因がわかっていないのですが、地上波デジタルとBS/CSの分波器を混合器として使用したことが悪かったのではないかと思っています。どこかに「分波器は混合器として使える」と書かれていましたが、混合する周波数帯が合ってないと混合できないんじゃないかと推測しています(詳しい方がいたら教えていただけると助かります)。

さて困った。で、何度も説明書を読み返していると、こんな文章が書いてありました。「親機は混合器としても使用することができます。」

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なんですって!まさに混合器に自信がなかったんです!これを試すしかない!神様は見捨てていなかった!

というわけで、構成を以下のように変えて試してみました。ようするに分波器を取っ払ったわけですね。

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見事にリンクアップ!やったー!

これで2Fでも有線状態で通信できるようになったわけです。何より景観を損ねない!

速度

さて気になる速度ですが…残念ながら有線LANと同等、とまではいきませんでした。有線と同軸モデム経由でテストしてみたところ

有線の場合:220-230Mbps
同軸モデムの場合:130-140Mbps

といった状況で、明らかにスピードが落ちています(が、十分に実用に耐えうるレベル)。ちょっと悔しかったので、DXアンテナのサポートに問い合わせさせていただきました。
以下の点が注意点とのことですので、これから試す方はご注意を。

「親機→分配器のIN→分配器のOUT→子機」という接続にする

特にフレッツテレビなどを利用されている方は注意したほうがいいのですが、フレッツテレビの終端装置の近くに設置してある同軸線の端子が、分配器のINに接続されていない可能性があります。その場合、速度低下を引き起こす可能性があるそうです。ちなみに我が家は問題ありませんでした。

同軸線の推奨は「S-5C-FB」

これがどこまで効くのかわかりませんが、同軸線は「S-5C-FB」が推奨されるそうです。ただ最近の住宅の標準らしいので、よほど古い家でない限りは問題ないのかもしれません。我が家は大丈夫でした。

一番見落としがちなのはLANケーブル

そして速度に大きく影響するのはLANケーブルです。説明書にもありますが「Category 5e以上のものを使いましょう」となっております。私は一部のケーブルを変えてみたところ、10-20Mbpsほど速度が変わりました。

結局のところ、残念ながらどこがネックになっているのか掴めずじまいのままではあります。とはいえ、ある程度の速度が出てしまっているので、これ以上検証をする気が起きないというのもあります。

まとめ

この記事を書いている前日に同軸モデムを設置をしまして、本日から実運用を開始しております。私の妻と犬は別の部屋、私は作業部屋にこもって同軸モデム経由でインターネットを利用していますが、今のところ全く何の問題もありません。

設置時間も30分くらいだったと思いますので、コストの面を除けば導入のハードルは低く、お勧めできる製品だと思います(回しもんじゃないですよ)。

ただ、実際の使用者レビューを見つけることができなかったのと、設置に多少手こずったのもあって導入に不安があったことも事実です(つながって本当に良かった…)。なのでこの記事は、同じ製品の同軸モデムを導入するか迷っている方、そして有線LANの綱渡りをなくして景観を良くしていきたい方へ向けて書きました。お役に立てれば幸いです。

質問等あればいつでもどうぞ。

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