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#30時計の針は止められない

「時間は戻らないよ」そんなこと分かっていた。
だから、僕は「あの頃に戻りたい」と言いたくなかった。
後悔したところで時間を戻せるわけでもない。
自分の選択が間違っていないと思わせるために行動してきたつもりだったし、「今1番楽しい」と言えるように努力もしてきた。

でも、高校生の頃のような気持ちが戻ってきてほしいと考えるようになってしまった。
どこかで聴いたことある曲では、「子どもの頃は大人になれないのに、大人になれば子どもになれる」と歌っていた。
子どもの頃はそれを信じていた。
けど、今はそう感じられなかった。
大人になったらなったきり。
このまま子どもの頃の気持ちを忘れてしまうのかと不安になった。

1日何もしなくても時は過ぎていくし、猫の手も借りたいくらい忙しくても時間は平等に流れていく。
時間の貸し借りなんてできなくて、この世にセーブポイントなんてものは存在しない。
だから思い出というものが存在し、それを大切に思うのかもしれない。

いつか時が過ぎて「過去」になってしまうのなら、「あの頃に戻りたい」なんて言ってる暇なんてないな。

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