図書館としてのコーヒー・ハウス
現代の多くの喫茶店からはとっくの昔に失われてしまっていますが、かつてコーヒー・ハウスには、図書館(ライブラリー)としての機能があったそうです。
多くのコーヒーハウスでは、パンフレットや山積みにされた小冊子(tract)のみならずニュースレター(news letter)や、後には多数の新聞が置いてあった。人々はここで各種の情報を入手することができた。また「コーヒーハウス以外の場所で新聞を読むことは可能であったけれども、ずっと不便であった」のである。
(中島純一「マスコミュニケーション史への一考察(Ⅱ)—コミュニケーションチャネルとしてのコーヒーハウスとLibrary—」横浜商大論集第21巻第2号、1988年、63頁)
基本的には喫茶店に図書は見られなくなりましたが、例外的に、岩波書店の書籍を設置したカフェとして「神保町ブックセンター」があります。
また蔦屋書店はスターバックスのようなカフェを意図的に併設しているようです。
これらの喫茶店は、ある意味で図書館としてのコーヒー・ハウスという原点への回帰を、そのコンセプトにしているのかもしれません。
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