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新米班長伊藤君

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個別受注製造業向けの工程管理 (恋愛小説風に書いたつもり...) 伊藤君が日々の残業から向け出すために工夫した結果、製造工程の大幅な改善に結び付き、 結果、コスト、リードタイムと…
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新米班長伊藤君 #0

伊藤君が日々の残業から向け出すために工夫した結果、工程管理の大幅な改善に結び付き、
結果、コスト、リードタイムともに、半分近くまで削減した、涙の物語。
※彼女の助言のお陰ですが...

エピローグ #1

会社に出社、
会社は、主にプラント用の圧力容器を製造しています。
径が2m以上の圧力容器は、ここでは、みんな潜水艦とよんでいます。
外観がたしかに、潜水艦にみえなくもないのですが。
ここで、私は、新米班長として、日々、新人教育、業務改善、作業の進捗管理を行っています。
本日は、午後から、2年目の後輩に、特殊技能である、上向き溶接を指導する予定です。
午前中は、作業要領書を作成し、そこに本日の指導内

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設変 #2

昨日のどたばたから、結局深夜までの作業になり、しかも彼女には、
「いつも約束守れないじゃない。そんな仕事あるの?ほんとは仕事じゃないんじゃないの」
と言われ、疲れていたので、反論もせずに、謝り続けました。
朝起きたら、もうちょっとちゃんと説明すればよかったな。思いましたが、
昨日作成した作業予定表が、かなりの予定変更を余儀なくされ、納期余裕があったオーダも、
ぎりぎりの状態です。
これをまた現場の

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生産管理の前提が無い #3

2日連続の残業から、今日も早朝出社。
また、現場をまわり、昨日の作業計画表を提示してまわり、
自分の机でコーヒーを一杯。
8時前に課長が出社してきました。
さっそく、課長に昨日、考えていたことを相談します。
「課長、おはようございます。
ここ2日連続の進捗確認や、作業計画表の再作成業務で、
実は考えていることがあるのですが、
バルブを作っている部署では生産管理システムを使って、
進捗確認や作業指示

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デート #4

意気揚々と勉強しにいったのはいいが、簡単にノックアウトされて、自部署に戻ってきました。
課長に、量産工場でうまくいっている仕組みは一品一様の我が部署では、使えそうもないこと。
そもそも、部品表というおおもとのデータが作成できないことを説明し、
ちょっと落ち込みながら、昼食を食べ始めました。
ここの社食のメニューは安さと量が取り柄えで、毎日昼と夕方の2食をほぼここで食べています。
大学の有人達に聞く

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助言 #5

食事の後、バーに寄り、彼女の講義を聞きます。
「さて、さっきのつづきだけど、新たな管理手法ってやつを教えてよ」
「あら、新たな管理手法とは言ってないわよ。別の管理手法っていったのよ。」
「うん、うん、それで」
「先ずは、1つめは、プロジェクト管理よ」
「えー、プロジェクト管理なら知ってるよ。でも、プロジェクト管理は、プロジェクト毎に、
管理する手法じゃないか。
工場の中には、何百ものプロジェクトが

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挫折 #6

昨日の彼女の話の内容を参考にし、少しずつ実践していこうと思い、
今日も朝早くから出社です。
業務開始前に、現場に行き、試験課の課長にカイゼンの糸口があるのか、
また、計画業務は楽になる可能性があるのか、ないのか?
確認しておきたいと思っています。
7時45分、ぴったり課長が来ました。
こちらをちらっと見て、現場事務所でたばこに火を付けます。
「今日は何だ。トラブルは聞いてないなー」
「はい、実は、

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夜明け #7

今日は、何事も無くこの分だと定時で上がれそうです。
どうしても、今日も彼女に会いたくて、電話してみました。
「もしもし、今日も早く上がれそうなんだけど、デートしよう!」
「あはは」
って笑われましたが、いい兆しです。彼女があははと笑ってくれるときは、機嫌がいい証拠です。つかの間の沈黙の後、
「いいよー」って、
「じゃあ、食事できる所予約しておく~、決まったら電話するよ」
「はい」
と言うことで、今

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