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2023年5月の記事一覧

EMDRが紹介されている本

「身体はトラウマを記録する」「真昼の悪魔」の2冊から、EMDRについて言及されていた箇所をまとめました。 EMDR=眼球運動によりPTSDを治療する方法で、最初見たときは怪しいし興味なかったのだけど、最近noteに記事を書くために再読した2冊(どちらもめっちゃ良い)の両方で紹介されていたため興味を持った。 眼球運動だけではなく、ヘッドホンの左右から音を流したり、手にセンサーをつけるなどの方法もあるらしい。 「身体はトラウマを記録する」 第15章(408〜433ページ)

「真昼の悪魔―うつの解剖学」 アンドリュー・ソロモン

うつ病を3回発症したことのある著者(=ソロモン)による、自身の体験と、うつについての知識が集められた本。 彼はセラピーと投薬による治療により安定したが、1回目の発症以降、症状が現れていない時期にさまざまな代替療法も体験している。 とくに印象に残った部分 ・自殺の口実としてエイズ(HIV陽性)になろうとした ・母親が末期癌のため自死を選び、それを看取った 第一章 うつ病著者がうつ病になったのは、人生が順調に動き出した時期であったという。 1回目の発症では紆余曲折のあと薬

「身体はトラウマを記録する」 ベッセル・ヴァン・デア・コーク

「トラウマ」に由来する症状と「内面の虚しさ」を区別しているところが、本書の大きな特徴です。 精神科医である著者が30年間で行ってきた研究と多くの実例。全580ページのうち後半(第5部)はすべて治療についての記述になっている。 巻末に収録された索引/原注が分厚い(80ページ) 第1部 トラウマの再発見第3部 子供たちの心解離———知っていながら知らずにいる トラウマの治療において、治療者が患者のトラウマの詳細を知ることは重要ではなく、患者自身が自分の感じているものを感じ、

「ああでもなく こうでもなく」 橋本治

雑誌「広告批評」で連載されていた時評コラム。 1996年12月〜1999年8月、作者(=橋本治)が50歳前後の時期に書かれたものが収録されています。 私が最初に橋本治の名前を知ったのがこの連載なのだけど、新書でベストセラーになった「上司は思いつきでものを言う」(2004)で知っている人も多いかもしれない。 芸能ネタから (太字=傍点表記) よく「〇〇症候群」みたいな造語を使う人がいるが、それは使わず「症状」と書いてあるのが大変良い。 「欠落している記憶を埋める」で思