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2023年3月の記事一覧

行動科学と投資

「そのように行動したいと感じることは自然」「事実を認識できない」と実験の例を並べつつ、それが投資の世界ではマイナスの結果につながっていることが説明されています。投資心理を解説した本です。 ダニエル・カーネマンとかを読んだことのある人は、既に知っている内容も多いかも。 各章の終わりに要点がまとめられています。 認知パターン 人間の考え方にはクセがある。例えば 公平な情報を与えられても、現在の選択を「正しい」と信じる気持ちが強くなるだけ。自分が選んだものは、選ばなかった

金融危機で儲けた人、破綻の原因になった人

「史上最大のボロ儲け」  リーマンショックが題材の映画は「マネーショート」が有名ですが (原作:「世紀の空売り」マイケル・ルイス) この作品には登場しない人物に、ジョン・ポールソンという人がいます。 彼もリーマンショックで有名になった人物です ▶️ 彼はCDSを売っている会社(ベア・スターンズやリーマン・ブラザーズ)に対するCDSを購入した。破綻する方にかけた債務1億ドル分のCDSが20万ドル、これは0.5%よりも少ない価格である。 ▶️ このような具体的な事例を調べ

世間知らずの高枕

「世は〆切」「旅は友を失う」「少ないほどいいもの情報量」など、一度聞くと忘れられないフレーズも多い。短く簡潔なコラムで文庫に100篇ほど収録されていますがKindle化しているものは1冊のみ。 「日常茶飯事」は1962年の最初の作で「世間知らずの高枕」は1988-1992年の連載。山本夏彦は戦前生まれということもあり、内容に偏りがあるので苦手な人は苦手かも。 世間知らずの高枕 日常茶飯事

ウォーク・ドント・ラン

村上龍と村上春樹の対談本(1981年に出版) 龍氏は「コインロッカー・ベイビーズ」、春樹氏は「1973年のピンボール」発表した頃で、言葉遣いなどもラフで読みやすい。

感情化する社会

私たちは誰かに感情を提供しているだけではなく、感情を「提供される側」として、コンテンツ(や人)をジャッジする習慣を持つようになった。 「元気をもらえた」「涙が止まらない」「感動」「吐き気がする」といったフレーズは、いつごろから増えてきたのだろう? 「いいね」が義務になるとき第1章 感情天皇制論  1983年、社会学者のホックシールドが人間の内面が資本主義に組み込まれている現象を「感情労働」として指摘した。 例に挙げられていたのは客室乗務員(CA)であったが、いまやほとん

「伝統と現代」 山本七平

「自由にしろと言われると、人間は一番抵抗のない状態を選ぶ。それで多数決とすれば伝統が自然と出てくる。明治からの生き方は西洋を輸入したものであり、われわれの伝統は江戸時代にある」という語りから始まる講演。 以下、概要をまとめたものです。  親孝行の伝統は、生きているうちに遺産の相続先を変更できたためである。隠居と同時に相続が行われるが、子供に財産を相続させても、勘当すれば相続権はなくなり財産は戻ってくる。  この相続は鎌倉時代から。また勘当は離婚よりも手軽であった。  当

ご隠居さんと高齢化社会

▶️ 親孝行の伝統は、生きているうちに遺産の相続先を変更できたためである。隠居と同時に相続が行われるが、子供に財産を相続させても、勘当すれば相続権はなくなり財産は戻ってくる。このような相続は鎌倉時代からあり、また勘当は離婚よりも手軽であった。 ▶️ 当時の隠居は40〜45才、老眼鏡がない、入れ歯がないためである。 Audibleで見つけた江戸時代についての講演。身分制度や質屋についての話も面白かったです。 「銀齢の果て」 筒井康隆  高見広春さんの「バトルロワイヤル」