上手い絵とはなんだろうか

noteを眺めていたら、上手い絵とは何か、というテーマの記事をいくつか見かけました。

どういう絵が上手いのか。パッと見下手っぽく感じる絵にも良さはあるんじゃないのか。私は絵が上手いのか下手なのか、などなど。
先日、Twitterのとある相互さんも上手い絵、というものに翻弄されていたようでした。なんでも、「上手い絵とは、その線があるべきところに線が引かれている絵」といった感じの話をされたという。それではどこを目指せばいいのかわからない、と困惑していました。
そういう身近なところ以外でも、お絵描きに悩む人々はたっくさん居るようです。
同級生が自分より上手くて病んでしまうとか、考えがぐちゃぐちゃになってどこを目指したら良いのかわからないとか、なにがわからないのかわからないとか。

なるほど、基準をしっかり作れていないとこういった事にも悩んだりするのだなぁ。
ピカソの泣く女のような、明らかに顔面がぐちゃぐちゃな作品ははたして上手い絵なのか。
幼稚園ぐらいの子供がお父さんお母さんに見せるような、画用紙にクレヨンで描いたような絵は果たして下手な絵だろうか。
僕なりの基準の話ができればと思います。

ひとまずまぁ、真っ先にこれはハッキリさせておこう。
絵とは手段である。
手段ということはつまり目的があるということです。
目的が無いのならば、自由に描いたっていいわけです。どれだけデッサンが狂ってようが、パースがめちゃくちゃで、色使いもハチャメチャだろうが、なんにも問題は無い。だって目的が無いのだもの。絵を自由に描いて何が悪い。

幼稚園ぐらいの子供がお父さんお母さんに見せる絵、の目的はなんだろうか。
褒めて欲しいとか、親を驚かせたいとか、色々あるだろうがそれはよっぽど厳しい親じゃない限りは何を描いたところで達成できる。
なんとなく人間が描かれていることがわかる程度の絵に対して、わざわざその絵、下手だねなんて言うような人は滅多に居ません。
とにかく元気に描いて元気に見せりゃあ、おおよその場合は目的は達成できます。
結果として、目的を達成している良い絵なわけです。

ケースその2。
例えば、「自分のうちに秘められた心の丈をぶつけたい、訴えたい」と目的を設定したとしましょう。
次にすべきはその目的に沿った絵というか構図を考えることです。
どういう表現にしたら目的を最も達成できるのか。
デッサンは合っていた方がいいのか。いっそ崩して勢い重視にした方が目的を達成できるのか。色使いは。カメラアングルは。そもそもの被写体は。まぁまぁ、色んな角度から検討できることと思います。
心の丈の激しさ如何では、デッサン云々の真面目さよりも勢いを重視した方が良い絵になりそうですね。
絵には間違いなんてものは本来無いんです。間違いが生まれるとしたら、目的を設定した時だけ。その目的と全く合わない表現をした時、なるほどそれは間違いと言えるかもしれませんね。

自分の絵はこれでいいのか。
どこが間違っているのか。どう直したらいいのか。
そういう思考のドツボにはまり込んだ時、一旦検討すべきはこの絵の目的は何だ?ってところだと思っています。
大枠では目的って2種類あると思いますけど。例えば、「Twitterでバズりたい」という企画としての目的。そして、「どういう内容で心に訴えかけるか」という作品としての目的。どっちも忘れないようにしたいですねー…やりたいもの全部詰め込もうとしたりするとこの辺がブレブレになるので。
まぁ今の例の場合は後者をしっかり達成できてれば前者も達成できるような気はしますが…。

イラストとは手段なわけです。
例えば広告で使われるイラストとか。ラノベの表紙に使われるイラストとか。それぞれの用途に合った描き方というものがあるわけです。
ラノベの表紙とかだと、企画の目的としては本屋に並んだ時に目につくような絵、とかですかね。作品の目的としてはどういう内容か伝わるような絵、だとか。ちょっと素人考えで適当言ってるところありますけど。

目的を達成してる絵はそりゃー上手い絵ですよ。
目的を達成しようとして、見事達成してる絵は。
たとえクオリティが高く、描写が細かい絵だとしても、それがスライド資料の片隅に小さく貼られるような用途だったとしたらパッと見でわかりにくくて仕方ありません。目的を完璧に満たしている絵が一番上手い。これです。
それが適当に描いてたまたま達成した、とかだと話変わって来ますけどね。
描きたいものを、目的を見据えつつ、描きたいように描けるようになりたいもんですねー…自分はまだまだなんですが。
悩むってのは大抵、なんらかの考えなどがハッキリしてない時です。色々ハッキリさせつつ、自分がどう動くべきか悩まずに行きたいものですね。

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