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フリーランスのための青色申告のススメ

今年もまたこのシーズンになり、私は確定申告をさっさと済ませました。マイナポータルと連携すれば医療費のお知らせが自動入力されるようになってとても楽になりました。先週で非常勤講師としての最後の集中講義も終わり、駐車場2か所の雪かきも済ませ(また降る)、すっきりしたところで、今日は個人事業主の税金等の計算について書いておこうと思います。結果の責任は持ちません。法改正、規則改訂が毎年ある分野ですので、ご自身のケースにあてはめるときはさらに詳細を調べてください。

1.給与収入とフリーランス収入は同額でも所得税等が違う

・給与所得と事業所得

源泉徴収票の種別欄に「給料、賞与、報酬、俸給」の記載があれば所得税法上の給与です。パート・アルバイト・謝礼等の呼称に関係なく源泉徴収票の種別のみで判断します。種別が上と異なる、または源泉徴収票自体がないものは事業所得・雑所得などになります。

一般にフリーランスと呼ばれていても、給与の源泉徴収票が発行される場合もあるでしょう。私が収入を得ているPreplyは源泉徴収票をくれません。これ以降、フリーランス収入を源泉徴収票のない収入の意味で用います。

※なお退職金と配当は分離課税(通常の収入とは別に計算するもの)です。

・退職後にフリーランスになったとき、(何の対策もしないと)収入が同じでも税金等が高くなる

(例)給与(300万円)-給与控除(98万円)-基礎控除(48万円)=所得(154万円)
(例)フリーランス収入(300万円)-基礎控除(48万円)=所得(252万円)

このほかにも社会保険料控除、医療費控除、寄附金控除などがどちらにもありますが、フリーランスには給与所得控除がないので、常にそのぶん課税所得に差が出ます。課税所得の差は所得税、住民税、国民健康保険料をはじめ、政府や自治体のさまざまな所得別サービスを受ける際に影響します。

給与控除の計算方法はこちらです。

・給与所得とフリーランス収入の両方があるときの所得計算

(例)給与(100万円)-給与控除(55万円)+フリーランス収入(100万円)-基礎控除(48万円)=所得(97万円)
(例)給与(40万円)-給与控除(40万円)+フリーランス収入(100万円)-基礎控除(48万円)=所得(52万円)

ポイント:給与収入を超えて給与控除を使うことはできません。

2.必要経費の控除

フリーランス収入がある人は、国税庁の確定申告書等作成コーナーで、[青色・白色]決算書・収支内訳書(+所得税)を作成します。

決 所 を選びます。

このときに、事業にかかった費用を控除することができます。領収書・レシート、銀行やクレジットカードの取引明細等、証拠となるものは7年を目途に保管します。

(例)フリーランス収入(300万円)-必要経費(50万円)-基礎控除(48万円)=所得(202万円)

オンライン日本語講師の私はテキスト代、英語・スペイン語のレッスン料、ZoomとYouTubeプレミアムのサブスク代を経費にしています。インターネット接続費用は事業割合10%で計上しています。今年度はおそるおそる電気代の10%を計上しました。何がどれくらい経費として認められるかはアドバイスできません。参考にしないでください。

3.青色申告と白色申告

・白色申告

収入と必要経費だけの簡単な申告方法です。特段の知識がなくても可能です。

・青色申告

⻘色申告特別控除があり、最大65万円の控除を受けることができます。

(例)フリーランス収入(300万円)-必要経費(50万円)-青色申告特別控除(65万円)-基礎控除(48万円)=所得(137万円)

所得がぐっと減りました。同額の給与収入より少ない所得になることもめずらしくありません。すばらしい。青色申告に必要なことは以下のとおりです。

所轄の地域の税務署に青色申告承認申請書を提出
郵送ですと特に返事は来ません。なんだか、心配ですが、送っただけでいいようです。開業届けも一緒に送るとよいでしょう。

複式簿記の方法で財務諸表(貸借対照表・損益計算書)を作って申告
いちばんハードルが高いのが複式簿記だと思います。私が個人事業主になった22年前はなにもかも手書きでした。このときは、人に聞かれたら複式簿記を習得するために簿記3級の受験を勧めたものです。ところが、国税庁の確定申告書作成コーナーは年々進化して、今はものすごく簡単になりました。前年度のデータを使える上、めんどくさい減価償却も、年度繰越もなんと自動で計算されるようになっています。過去には紙と電卓にまみれて数日間の格闘をした申告(ただよう恐竜感)も、今は1日で終わります。e-Taxに対応している会計ソフトもあるようでちょっと勘のいいひとでしたら使いこなすことができるでしょう。もちろん簿記の知識がないと節税に有利な方法を見逃すことはありますが、それでも白色申告よりずっとお得なのは間違いありません。

4.フリーランス収入の扶養の壁

扶養家族となっている人の収入が103万円を超えると配偶者が配偶者控除(38万円)を受けられなくなるため、103万円の壁と言われているようです。この103万円は、以下のように課税所得が0になることが根拠です。
給与(103万円)-給与控除(55万円)-基礎控除(48万円)=所得(0円)

フリーランス収入には給与控除はありませんから、配偶者控除を受けるという意味では48万円が壁になります。

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