バルセロナで求めるSpeciality Coffee に出会う!
「なあんだ、こんなに近くにあったんだ!」
求めていた店が、泊まるホテルのすぐ近くであることを発見したときの喜びはひとしおです。「運命」すら感じる。場所は、バルセロナの中心区。
はやる心を押さえて早速店に入ります。朝早めの時間で、出勤前らしき人々が複数人カウンターの列に並んでいます。店員さんは敏捷にエスプレッソマシンを操作し、朝食らしき1個のパンを添えて、次々とお客さんに提供していきます。仲間内なのか、あちこちで快活に響き渡る挨拶の声、声。バルセロナの朝は元気です。
おっと、私の番が来た。壁に貼られたメニューに、それらしき文字「V60」。ハリオのドリッパーV60をメニューにしているのは、Speciality Coffee であるのは間違いありません。迷わず注文します。€5.5.エスプレッソの2倍なのですが、まあそういうものなのでしょう。カウンターの隅にはそれらしきドリッパーが置かれています。
「おいしいコーヒーの評判を聞いて来ました。写真を撮らせていただいてもいいですか?」
快諾を得て、ますます気持ちは高揚します。へえええ、ハンドドリップを、こんな感じでキカイで操作するんだ!ハンドドリップのマニュアル通りに、蒸らしの後で、均一になるように回しながらゆっくりとお湯を注いでいく。東京で、いつも神業に感心している何人かのバリスタさんの顔が浮かびますが、まあしかたない。漂ってくる芳醇な香りは同一です。
来た来た!!
エチオピアのシングルオリジンです。
これだ、これだ!
朝煎りの、フルーティーな香りが鼻孔を心地よく抜けていきます。周りの慌ただしさが遠のき、静かな自分ひとりの時間に浸れるようです。
スペイン人も、コーヒー好きでは他国にひけを取らないようです。出勤前に軽く引っ掛ける以外にも、仲間内で機関銃のように語りまくりあうとき、帰宅前の落ち着きの一杯。様々な用途で必須の場になっています。
それではその中でのわがSpeciality Coffee の位置付けは?
「お客さんでV60頼むひと、どのくらいいますか?」
聞いてみざるを得ませんでした。
聞かれた店員さんは、他の店員さんと軽く確認しました。
「5-10%くらいでしょうか?」
ううううんんん。。それでも、母数が大きいんだし、それだけいることがすごいこと。そもそも、この店が存在することがそうですし。ちょうど店員さんとそんな会話をしたときに、現れた二人組のお客さんが注文したのがV60でした。
やったー!!
「やっぱり、これ、おいしいですよね!」
一人客であれば話しかけていました。さすがに二人組だと遠慮してしまいました。。
まあ、でも、エスプレッソが圧倒的に人気であるのは、求めやすい価格であるのは間違いないです。安いところでは一杯€1.5とかそれ以下。片やSpeciality Coffee では€5.5-6.0が相場のようです。だって、Speciality Coffee は、上質の豆を更に厳しく選別するし、すべての工程にヒトの手をふんだんにかけているので、しょうがないですよね。でもこれが現実。
構図は、日本の例えばコンビニコーヒーvs コーヒー専門店と全く同じです。そして、この後で訪問するマレーシア、シンガポールでも。それぞれの地域での「伝統」は地域性がありますが、「新興」はかなり世界標準。
(いつだって、どこだって、振興は自分の立ち位置を確立するには、想像を絶する苦難が伴うものです。たぶん。
そういえば、バルセロナの観光名所の筆頭格である「サグラダファミリア」だってそうですよね。天才ガウディの圧倒的な気迫が隅々に網羅され染み込んだ素晴らしい建物なのですが、これだって伝統的なカトリックの様式とは世界観が相当異なりますね。ローマが2010年まで認定しなかったのも、いかにも、と思います。)
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