富士ヒルトレイン あなたは何を考えて登る?

お久しぶりです、富士ヒルが近づいてきましたね。


さて、題名の通り富士ヒルトレインについて語ろうと思います。

※中には辛辣な表現も含まれています。偉そうに講釈垂れ流していると感じるならbackしてプリーズ。ただ、皆さんが1秒でも良いので速くなりたい、トレイン内で有利になりたいと思うならのなら読んで頂けると幸いです。

それでは始めます。







ヒルクライムでは富士ヒルでしか聞かない単語



それはトレイン



他のヒルクライムではそんなこと無いのに、富士ヒルのみ当たり前のように語られるコイツ。最早トレイン抜きで目標達成しようと考えている人の方が稀でしょう。

でもコイツが凄い落とし穴です。


というのもの皆さんレース直前こんな状態になってませんか?



心→気合いバッチシ!ドンとこいや!
体→目標のpwrは到達、峠TT等でも富士ヒル換算での目標は達成!
機材→メンテ完了!変速トラブル等はありえない!


よし、後は○○トレインを見つけて乗って目標達成だ!!!





・・・でトレインの練習は?対策は?



何故普段練習していないのに本番で急に上手く乗れる想定なのだろうか?


ここで普段からヒルクライム以外のレースや(エンデューロ等集団走があるレース)普段から仲間内でトレイン走を繰り返している人なら多少は問題が払拭されるでしょう。

だが、問題は個人での練習がほとんどな人

普段から他人と登りでコミュをとって無いのに本番で円滑なコミュをとったり阿吽の呼吸でスムーズに登れはしません。

良くある例だと個人TTだと速いのに富士ヒルでは結果が振るわない人なんてごまんといます。

私はその要因にトレイン対策が不足しているのが一つと考えています。

皆さんもレースでは全てを出し切って最高の結果を得たいと考えているでしょう。


そこに作戦や状況判断、スキルは入っていますか?


個人的には無策で挑むということは目標pwrに達していないのと同意味です。

何も考えず挑めば、訳も分からず失敗し、原因追求した際の根拠立てもあやふやになるでしょう。
それでは同じ失敗を繰り返します

できれば今からでも友人やチームメートと一緒に登りましょう。TTペースである必要は無いのです。まずはトレインに慣れることからです。

勿論、家庭状況や地域環境によっては1人で走らざるを得ない人も多いでしょう

ということで私がトレインに乗る際に考えたいくつかのシチュエーションとその場合の対処方法、そしてその理由を記載します。

誰かと走ることが出来なくてもこの状況下を想定して下さい。


考えることはレスト中にもできる最大の練習だと私は思っています。


※注 コレはあくまで私の場合の解です。皆さんが同じ状況下になった場合の回答は違う可能性があります。
必要なのは「考えて納得し、行動に移すこと」です。ここからは自分ならどうすべきか?どうしてそう判断したかを考えながら読んで下さい

というわけでスタート!


① レーススタート!但し、料金所までの急坂でかなり速い、どうする?

→絶対に先頭付近キープ、特に料金所後の僅かな平坦部はトレインが伸びやすい最初の関門。僅か2分足を使えば1合目の残りが楽になりやすい。集団後方でずっとインターバルかかる方が後々デメリット


②前の人がトレイン内でスペースを作った。どうする?

→2人分空いたら即埋める。特に肩の動きや頭の姿勢がそれまでと違う場合、へばってる可能性が高い。ツキギレは避けたいので、なるべく早くリカバリー。
但し1人分のスペース、且つフォームが通常通りの場合、単に気を抜いた可能性もある。よって1人分は様子見。前の人が埋めちゃって、自分も横でダッシュしたら大損の為。


③②でスペースを埋めると判断、じゃあどうやって埋める?

→自分の足だとL6 3sとL5 8sの場合前者の方が得意。よって瞬時に埋める。勿論FTP程度で埋められるに越したことはない。あくまでベストは自分の負荷を最小限に抑える埋め方。


④インターバルかかった際はどうする?

→ここは更に状況毎に対応を変更

④-1坂が一定勾配の場合
ケイデンスのみで対応。変速→追いつく→変速は足に負担がかかる。

④-2坂が緩→急の場合
恐らくスピードが遅くなるインターバル。
かといってブレーキは無駄が多い。予め前方を常に確認し、この状況になりそうならワザと前方に1人分スペースを空けてその間1秒でも良いのでレスト。前が急坂でスローダウンして勝手に追いつくし、この後頑張る為の1秒レストはとっても大事。

④-3坂が急→緩の場合
一番危険なインターバル。最重要警戒!
仮に1列トレインなら予めワザと少しトレインからはみ出して自分の前輪と相手の後輪が横で重なる位置にする
前が緩くなった瞬間、差が広がるのでまた1人分スペースができるはず。念の為後ろを確認しつつ、トレインに通常復帰。

大集団の場合はそんなに自由に動けないのでギアを予め重くしつつ、ダンシング→シッティングで対処。この際、ケイデンスは低→通常となるように。


⑤前に挙動が怪しい人がいる、どうする?

→足を使ってもいいのでリスク回避で外を回ってでも前方にでる。できれば2~3人分。
最悪の状況だが、ハスられたとしても前輪より後輪の方が立て直しが効くので前一択


⑥先頭交代を要求された、どうやって曳く?

→平坦トレインと違い、先頭は横に避けたらすぐに落ちる 寄って「スピード」を維持するよう登る。慌ててパワーを急に上げればスピードが上がる、逆にパワーを維持したままだとスピードが下がるのでトレインに余計なインターバルを生む。


⑦先頭交代したい、どのタイミングで代わってもらう?

→勾配によって変わるが得意な勾配なら辛くなる二歩手前、苦手な勾配なら三歩手前。苦手な勾配の方が体力の消耗はずっと激しいし、集団のスピードは自分では上げられない。サッサと代わったほうがみんなの得。


⑧最後の急坂スプリント!どこから仕掛ける?

→人にもよるが約1分半の坂。自分の場合は普段の練習からラスト1分上げる練習をしているし、ヤビツでも約1分15秒だ。
そのため、トンネルを越えて二呼吸分置いてから遅めにスタート!重量級だから最後のパワーでは負けない目算だ。
前方で早めにしかけて垂れた人を抜くイメージが理想だ。






とここまでで以上となります。ここまでで何例かの状況を想定しました。勿論他にも様々な状況はあるでしょう。
そこに関しては自分で考えるのも良し、仲間内で相談するのも良しです。

一番避けるべき状況は想定外のことが起きて頭が真っ白、良く分からない内にトレインから離れ、良く分からないけど目標達成出来なかった、という状況です。


この状態だと全てを出し切ったとは言えないでしょう。

理想は①考え、②状況を策定し、③実走で練習し、④脊髄反射でできるようにすることです。

④まで到達できれば最高ですが、それが出来なくても、②まで出来ればトレインに慣れている人から3テンポ→1テンポ分に遅れを短縮できます。
少しでも「トレイン慣れしていない」という不利を打ち消しましょう。

また、想定外のことが起きないようにできる限り、今から本番を想定しましょう。考えるだけならまだ間に合うはずです。


それでは読んで頂いた方の富士ヒルでの成功を祈って。


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