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あの人に近づきたい

目標にしたい。お手本にしたい。
そんな人が目の前に現れたら、ラッキーだ。

人生においてその都度、その時代、その時の自分にとって
憧れの人はいた。

幼稚園の先生、お花屋さん、お母さん、バイト先の綺麗な先輩、美しいメイクの先生、受け答えが愛らしい女性、生き様がかっこいい人、頭脳明晰でユーモアのある女友達。

中でも、雷級に変化を与えてくれたのはダンスの先生だった。
それまでは他の先生に習っていたのだが、その先生のショーをみた直後に「この先生に習う!私、今のスクールやめる。」と決めていて、そのまま口に出していた。自分に合うレベルのクラスを先生が持っているかどうかすら、調べずに直行していた。案の定、私のレベルではついていけない、むしろ入れるレベルではなかったのだが、憧れの想いだけでクラスに無理やり入った。

憧れの人に近づくには近くにいること。
努力すること。真似できることをすること。エッセンスを取り込むこと。

目の前に見えていれば、今の自分との差が見える。
それをとにかく、埋める。その溝を埋めるにはどうすればいいか探る。
程遠いのは分かっている、でも一歩でも半歩でも近づきたいんだ。
その過程は楽しくて、キュンキュンして。ほとんど、恋。

モチベーションは憧れの人の存在そのものだった。

例え、憧れの人の直属のダンサーになれなくても。
その人の舞台の何かしらで役に立てれば、感無量だった。
寝なくてよかった。だって何でもいいから、携わりたかった。
どんな事でもいい。憧れの人の作品の一部を作るその仕事を私に頂戴。と願っていた。

そして、ダンサーなのにスポットライトにあたる側ではなく。
裏方で衣装部隊になった。それがどれだけ幸せだったか。
自分でも驚きだった。「駒になる。全体の一部のネジのような部品であることが、こんなに喜びになるとは。」
憧れの人に近づきたくて、行動していると「気づき」も貰える。
何年経っても色褪せない達成感と、憧れの人を目指して生きていた高揚感は忘れられない。


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