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むずかしい親子関係

■ 親の影響

成人するまでに親から受ける影響は、はかり知れないくらい大きいです。

人間て、幼少期は親に褒められると嬉しくなったり、叱られると落ち込んだりするものです。親からの愛情が欲しくて、親が喜ぶように良い子でいなければいけないと思ったりもします。

思春期になると自我が芽生えて、親に反抗もすることもありますが、それでも親という存在が目の上のタンコブのように、いつも頭の片隅から離れなかったりするものです。

私の場合ですが、一人っ子ということもあり親の干渉がひどく、門限も厳しく、着る服装にもうるさくてミニスカートで出掛けようとすると、「そんな短いの穿いて!違う服に着替えなさい!」と言い出し、メイクも濃いだのなんだのと口やかましく干渉してきました。

私は20歳で就職しましたが、就職先も親が喜びそうなところを選んで無事に就職もしました。

でもある時に、「自分てなんなんだろうと」悲しい気持ちになったのです。自分の人生は、自分のもので親のものではない。育ててもらった恩義はあるが、自分の人生は自分で色々な選択肢の中から自分で選択し、自分の責任で切り拓いていくものだろう・・・と、社会人になってからやっと気が付いたのです。(気づくの遅すぎ!)

20歳の時に、私は母親に向かってこう言いました。

「私のストレスの源はお母さんなんだよね。いい加減あれこれ干渉してくるのはやめて欲しい。」

と思い切って言ってみました。その時の母親の顔を今でも思い出すことができます。

その後、私は22歳で結婚をして家を出ました。その時は、これでやっと自由に生活できる。親に干渉されずに自分で人生を切り拓いていけるという思いで、開放感に満たされていました。結婚後、半年間は親に電話も1回もぜず、1回も実家に帰ることもなかったです。実家を離れて寂しいなんて思いは、微塵もありませんでした。

どうですか?もし、自分の娘が自分のことをこう思っていたとしたら・・・すごく悲しいと思いませんか?


■ 子供は親の従物ではない

いま私には息子がひとりいます。自分が子供のころに感じていた不満を息子には感じて欲しくないので、息子にはできるだけ干渉しないようにしています。できるだけ、本人の意思を尊重して干渉はしません。ただし、自分で決めてやるからには責任は持つようにと言い続けています。そして、あなたの人生はあなたのものだから、私に遠慮せずに突き進めとも言っています。

子供が産まれると、どうしても親は子供を可愛がり、干渉したがります。ただ、それは幼くて親の加護がないと生きていけない幼児の時だけで十分です。やがて、その思いが変形して歪められ、まるで自分の持ち物のように、自分好みの人生を生きて欲しいと子供に対して妙な期待を持ち始めます。

特に母親は、自分が産んだからとその思いが強くなりがちです。

私がいつも思うことは、「自分が産んだことは間違いないが、この世に生まれた瞬間から、この子は1つの立派な人格を持ち、意思を持ち、自分で人生を切り拓いていかなければならない。私はただ彼の命を守り、与えられる愛情を注ぎ、私が知り得た生きる術を教えてあげるだけ。残りの全ての選択権は彼自身にある」ということです。

ちょっとドライな親子関係のように思われるかもしれませんが、親の役目って干渉することではなく、ひとりでも生きていけるようになることを教えて鍛えてあげ、子供を信じてあげることだとこの頃とても感じます。




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