異世界転生的なみたいな
やあ、俺の名前は伊藤炎(ファイアボール)。
親を恨んでいる。
ある日、日がな一日ネトゲしかしていない俺はいつものように母親を罵倒していた。
「ファイアボールチャン、ドウシテガッコウイカナイノ?」
この凄まじい力を持った言葉。
呪文を毎日聞かされている俺は毎日怨言を返す。
「テメーノツケタナマエヲノロエ!」
この言葉を投げると声を押し殺して泣く母親がそこにいる。
さあさ、嘲笑に耐えきれなくなった俺は嘲笑されない世界にさっさと逃げるのだ。
「ディダドーリディーダバッタドゥリドゥリドゥリ」
母親の声で知らない呪文が鳴る。
「クゥーリーニャンニャンパタリカヤンタムゴリラ」
ゴリラって聞こえるけど
怖い。
「ゴリラ」
その声が聞こえると今まで感じたことない強大な衝撃音が響く。
その音に耐えきれなかったのか俺は意識の糸を手放してしまった。
俺の名前は伊藤炎(ファイアウォール)。
だった気がする。
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