元日から自転車散歩

遅ればせながらあけましておめでとうございます。

家に閉じこもっていても吞んだくれているばかりで、何一ついいことなんてありゃしない。
元日、二日と続けて豊橋市街への自転車散歩をした。往復約30キロ、3時間かけてのんびりと、国道259号線は交通量も少なく、とても快適に漕ぐことができた。
多少北西の風が強めに吹いているが正面からあたるというわけではないので梅田川の橋を吹き抜ける風に注意すればなんてことはない。防寒対策をしっかりとしてさえおけば、真夏の炎天下を漕ぐよりよっぽど快適。
普段は車の往来の激しい国道259号線がガラガラ。
芦原の長い上り坂では、左側の狭い歩道に人一人が通れる程度の幅で、自転車は車道を漕がねばならず、怖い思いをするが、これだけ車が少ないと上り坂とは言え漕いでいて快感さえ覚える。
人通りも少ないし市街に入っても信じられないほど静かで、キリコの絵の世界にでも入り込んだのではないかと錯覚しそうな気分になる。
冬とは言え午前10時を過ぎた市街は真昼間の日差しに、車も人影もなく、一昔前の豊橋駅前と違ってビルの高層化が進んでいるから余計に人影のない光景が異様で、通りを吹き抜ける風に街路樹の落ち葉が広い歩道の縁石に吹き溜ったまま放置されている。こんなに閑散とした市街を自転車で走れるのは正月くらいしかない。
「同じ町でも異なった方角から眺めると、全く別な街に見えるから、見晴らしの数だけ町がある」というようなことをライプニッツという人が言っていたような気がする。町の中を周回し、周回した道を逆にたどってみたり、通ったことのない路地に入ってみたり。
それにしても豊橋市の人口が少しずつ減少し続けているらしいことを思うと市街の中心部の盛衰を思わずにいられない。数年ほど前から市街地のあっちこっちでマンションが建ち始め、今年の夏にオープン予定の二十四階建てのエムキャンパスが、どういう風を豊橋活性化に作用するのかちょっと楽しみではある。
元日は駅周辺、2日は豊橋公園周辺をのんびりと漕いだ。
調子よく漕いでいても年齢的に帰りの体力も考慮に入れてほど良き所で帰路に就くとさすがに大崎から老津までの緩く長い登りは多少の疲れも手伝ってサドルに当たるオマタの間に挟まったオタマの袋がヒリヒリしだす。家に着くころにはうっすらと汗をかいて充実感が溢れるが、いったん帰宅すると元の飲んだくれ生活に戻ってしまう。せっかく健康的なイメージの自転車散歩を終えてもそのあとの飲んだくれに戻ってしまえば何にもならないいい見本だ。


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