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コルンゴルトのバイオリン協奏曲

本気出せば5分で終わる事を始めるまでに3時間かかる。

音楽の話を書こうとすると、思っていることの百分の一ほども書けないということを言い訳にしたうえで…
ラジオでコルンゴルトのバイオリン協奏曲を聴く機会が多くなってきている。
10年も経っていない前に興味本位で購入したコルンゴルト作品のCD2枚。全てを聴いてみたがメロディーから音質。どれもあまり馴染むことができなかったが、このバイオリン協奏曲だけは自分の中のバイオリン協奏曲のイメージの中になんとか納まった。その後しばらく聴こうという気になる事もなく、他の音楽ばかり聴いていたが、去年のある日、車のラジオからたまたまコルンゴルトのバイオリン協奏曲が流れてきていて、メロディーと音質、オーケストラとバイオリンソロの絶妙なやり取り、バイオリンソロの超絶技巧に引き込まれてしまって、運転中にこりゃ危ないと、コンビニの駐車場で最後まで聴いてしまった。
勿論私が持っているコルンゴルトのバイオリン協奏曲と同じ曲であることはすぐにわかったが、何故引き込まれるほどに聴き入ったのか?多少の演奏の違いはあっても、良し悪しはない。これだけの超絶技巧を駆使した曲。一流の演奏者だからできるのであって演奏の良し悪しなどあるはずはない。
結局自分の感性がこの日の時点でこの曲を受け入れることのできる感性に成長出来ていた。ということにしておこうと思う。
ラジオから流れてきていたのは、ザルツブルク音楽祭で演奏されたもので指揮は小澤征爾さんということだけは覚えているが、ソロは誰で、いつ演奏されたものかまでは憶えていない。
私の持っているCDはどうやら輸入盤で解説がドイツ語っぽい(っぽい。と言ってしまうところがなんとも安っぽい)ので暫くの間バイオリン、指揮者、オーケストラが分からなかったのだが調べてみたらウルフ ヘルシャー…バイオリン、ウィリー マッテス指揮、シュトゥットガルト放送交響楽団 だった。
YouTubeでも色々な演奏者達の動画が上がっているようだが、どこまで観たら良いのか解らないので何とも言えないが、どれも素晴らしい演奏だった。そして何よりも、演奏者の皆さんが楽しそうに演奏しているのがすごいところ。
コルンゴルトという人は20世紀前半に活躍した作曲家。ドイツ人でありながら主にアメリカでの活動が中心で、映画音楽に携わることもあり、確かにメロディーラインは映画音楽のように感じるものが多い。

創られた当初、ハイフェッツが積極的に演奏していたそうだ。アメリカ以外の、特にヨーロッパ辺りでは全く評価されなかったらしい。クラッシック音楽の殿堂ドイツ オーストラリアとは全く違う、おおらかなアメリカ文化の良さを感じる。
ここ数年、コルンゴルトのバイオリン協奏曲が頻繁に演奏されるようになったのは再評価されてきているということだろうと思う。
アカデミックな作風から一歩抜けた、明るく自由奔放な、聴いていても楽しさが伝わってくる。こういう音楽に出会えるというのは幸せなことだとつくづく思う。

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