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【Partner Business × Sales Enablement】Partner Sales Enablement「売り方開発」:商材のパッケージング その一

パートナーサクセスの村田です
パートナービジネス(パートナーセールス/代理店販売)で業績を拡大するための重要な戦略の一つとしてPartner Sales Enablementを提唱しています

前回のnoteでは、Partner Sales Enablementの核となる売り方開発として、マーケティングの側面からValue Propositionの重要性に関して解説をさせて頂きました。

今回は、引き続き売り方開発の方法に関して、述べていきたいと思います。


商材のパッケージングとは

商材のパッケージングとは、「提案の型化」を指しています。
端的に分かりやすく、この流れで提案すれば、最も成約率が高まる方法で、かつ再現性が高い状態を生み出すための提案手法です。

パートナービジネス(パートナーセールス/代理店販売)において、この商材のパッケージングを進めるためには、いくつかのステップがあります。

商材パッケージングの大まかなステップ
1. ペインから共感ストーリーをつくる
2. 顧客のハッピーをロジックに落とし込む
3. 掛け算に加工する

1.と2.に関しては、直販を通じて既に作られているケースも多いと思います。その場合は、それらを流用すれば良いですが、本当にパートナーでも実践できるレベルなのか?という点は注意が必要です。

自社商材を直販で提案する場合は、当たり前ですが、商材に対する理解がかなり深いはずです。
この「深さ」とは、単純な商材の機能や便益だけではなく、それらが何故便益たるのか?という背景を指します。

この背景は、商材の価値を適切に伝えるために非常に重要な要素なのですが、自社商材を扱っている直販部隊の方々は、当然わかっている前提知識として捉えてしまう傾向があり、言語化されていないケースが少なくありません。
ですので、既にある場合でも、一度上記の視点から捉えてみる必要はあります。

では、このステップを解説していきたいと思います。

ペインから共感ストーリーをつくる

「モノ売り→コト売り」というキーワードは、もう使い古されているくらい認知されていますが、とはいえ自社商材の説明をする際、技術や機能ばかりを訴求しまっているケースは、まだまだ少なくないと感じます。

技術や機能ではなく、ペインを探す

今年、生成AIがビッグワードとなりました。AIは、1950年代から研究されてきた技術で、約70年の時を経てようやくサービスとして提供できるまでに至ったという、非常に長い歴史を持っており、その技術は専門知識を持たない人には到底理解できるものではありません。

実際、生成AIが評価された理由は、技術そのものへの評価ではなく、「プロンプトを入力するだけで、文章を作成してくれる・画像を生成してくれる」など、"出来るようになること"に対しての革新性が高かったからです。

一方で、評価された理由が、流行した理由かというと、ここにはギャップがあります。

"出来るようになる"手間には、多くの場合「ペイン」があり、このペインに共感する人が多かったからこそ、出来るようになることが評価されて流行した、のが本当の理由です。

生成AIであれば、以下のようなペインが想定されます。

・何かを調査する際、情報が多すぎて検索に時間がかかりすぎる
・イラストやデザインは得意ではないし、画像を探すにもイメージにピッタリのものが、なかなか見つからなくて苦労する
・スライド作成時、見た目を整えるなど、加工に費やす時間が長い
・ことあるごとに表を作成しており膨大な時間がかかる
・etc

自社の商材がないことで、顧客・ユーザーはどのようなペインを抱えているでしょうか?

  • 競合がない完全に新しい課題解決の商材

  • 競合すでにいて、課題解決にも差別化が必要な商材

それぞれで、捉えるべきペインは変化すると思います。

Lean CanvasやValue Proposition等のフレームワークが認知されてからは、ペインの言語化に取り組んでいる企業も多く、成長ベンチャーやスタートアップは当たり前のように明文化されていますが、長く取り扱っているような既存サービスやリーンスタートアップ的な新規事業開発の経験がない場合は、
まだまだペインの解像度が低いケースもありますので、一度見直してみることをオススメします。

顧客のハッピーをロジックに落とし込む

ビジネスのゴールは大別すると、売上・利益が上がるか、コストが下がるか、のどちらです。
とはいえ、商材を活用することによって直接的にこれらのゴールにヒットするケースは、殆ど存在しません。

特に売上・利益の向上にヒットするような商材は、実際に商材で解決できる課題と、売上・利益の向上というゴールとの間に、大きなギャップが存在するケースが殆どです。

そのため、「売上が上がる」というキャッチコピーは、顧客からするとイメージが難しく、また、「売上・利益を向上させるために、普段から試行錯誤しているのに、その商材を使っただけで売上が上がるなんて、、、」と、思われてしまうかもしれません。

売上・利益を間接的に向上させるためには、何かしらのボトルネックがあるはずですので、そのペインが解決された結果、売上・利益の向上を早期出来るかどうかが重要です。

フロント組織向けの商材は難しい

ここでのフロント組織とは、SalesとMarketingを指しており、売上・利益を拡大することをミッションとした組織のことを指しています。

前述の通りですが、プロダクトやツールで売上・利益を直接的に拡大することは、現在の技術では非常に困難です。
これは、法人であれ、購買の意思決定は人が実施ことが理由です。
法人であれば、衝動買いはまず発生しませんが、一方で理論だけで決定もされていません。
これは、特にBtoBセールスにおけるアカウントプランの重要性が認められていることが、その証左です。理論だけで選択されるのであれば、キーマン特定は不要です。
結果的には、理論の筋の良さよりも、納得させる力の方が求められるのが実態ではないでしょうか。

以下は2023年3月時点でのSaaS企業の売上ランキングを利用して、私が作成した資料です

https://nerimarketing.net/saas-japan-ranking/

ファクトからも、フロント組織向けのプロダクトの難易度が分かります。

カウンターパートのゴールと、プロダクトが解決できることのギャップを埋めていく

プロダクトやサービスで解決できる地点と、カウンターパートがミッションとして抱えているゴールとには、必ずギャップが出来ます。
このギャップをいかに埋めるのか?が、ある意味パッケージングの一番の腕の見せ所といえます。

方法としては、カスタマーサポート・カスタマーサクセス・コンサルティング・BPOなどが考えられます。
いずれのサポートにしても、商材を活用することで、顧客がどのようにゴールに近づくことが出来るのか?をロードマップとして描けるかどうかが、クロージング力を決定づける要素となります。

フレームワークは「共通の悩み→落とし穴→解決策の提示→選択肢」

ここまで、ペインや解決方法の整理をしてきました。
最終的には、出来るかぎりシンプルに、カタチにする必要があります。

そのカタチにするフレームワークとして、最も効果的なのが、
「共通の悩み→落とし穴→解決策の提示→選択肢」です。

1. XXに取り組んでいる場合、こういったお悩みがあるとご相談いただくお客様が多いですが、御社はいかがでしょうか?

→ 「うんうん」

2. そのお悩みや問題を放置してしまうと、こういった落とし穴に落ちる可能性があります

→ 「そうだよねぇ、なんとかしないとなぁ」

3. この商材をこういう具合に活用いただくと解決可能です。実際の事例としてもこのようなものがありました

→ 「へぇなるほど。解決できるんだ。」

4. 御社の場合、課題を解決する方法やステップとして、A・B・Cがあります。お伺いしたお話から察するに、「X」が一番御社に合っていそうですが、合っている部分とズレている部分はありますか?

ここまでこれば、後は最後の「ズレ」の部分が補正出来るかどうかです。ここは、カウンタートークとして、ケース別のパターンを用意すれば、まずはパッケージ化の完成です。

掛け算に加工する

ここまでは、自社商材をパッケージ化することで、提案方法の型化を進めていくノウハウをお伝えしました。
パートナービジネスにおいては、パートナー企業が、どういった目的で商材を取り扱ってくれるのか?を主語にして、加工していく必要があります。

パートナー企業が商材を取り扱う目的や、顧客ターゲット、ケイパビリティ、など、勘案すべきポイントは多岐に渡ります。

このポイントはかなり重要なのと、長文になるため、次回のお楽しみということでご期待ください。

(本音を言うと、ここまで書いて力尽きました、、、すみません、、、)

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