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【Partner Business × Sales Enablement】Partner Sales Enablementの重要アクション:その一【後編】

パートナーサクセスの村田です
パートナービジネス(パートナーセールス/代理店販売)で業績を拡大するための重要な戦略の一つとしてPartner Sales Enablementを提唱しています

前回のnoteでは、Partner Sales Enablementの重要アクション:その一【前編】として、主にキーマン特定にフォーカスをあてました

今回は後編として、前回の簡単なおさらいから、残りのパートの説明をしたいと思います


前回のおさらい「2:6:2の法則」

前回の投稿で、特性すべきキーマンは2種類の人物像があり、以下のような分類の説明をしました

発見すべきキーマン
1. すでに成果を出している担当者
2. やる気はあるが、まだ成果に結びついていない担当者

前回note「【Partner Business × Sales Enablement】Partner Sales Enablementの重要アクション:その一【前編】」より

また同時に、セールス一人当たりが生み出せる実績の限界を考えた際、特に重要なのは、2. の人物であり、2:6:2の法則で考えた際に、この6のボリュームをどう動かしていくのか、成果のレバーとなる重要論点であることも説明しました

この前提をもとにして、モメンタムとは何かを解説していきます

「私にも出来た!」という再現性が創出するモメンタム

モメンタムとは何か

まずは言葉の意味から説明します

モメンタム [ 名詞 ]
1. 〔活動などの〕勢い
2. 機運、気運、契機
3. 《物理》運動量、推進力

英辞郎 on the WEB

モメンタムという言葉は、ビジネスにおいては業績や景気を語る際に使われる言葉で、株価変動などファイナンスの相場の勢いを評価するテクニカル指標としても使用されます

上記の意訳の通り、「勢い」や「機運」というのが最も分かりやすい理解で、余談ですが、ファイナンスにおいては、このモメンタムの発生を予測するために金融工学などの研究にまで発展するほど、ビジネスにおいては非常に重要な指標であり現象です

Partner Sales Enablementにおけるモメンタムとは「私にも出来た!」という再現性を創出すること

パートナービジネス(パートナーセールス/代理店販売)において、創り出したいモメンタム ≒ 勢いとはなんでしょうか

それは、
"「私も売りたい」と思ってもらえる担当者が増加するトレンドを生み出す"こと
ひいては、上記を経て、実際に提案活動自体を増やす担当者の数が増加することに他なりません

これも前回説明させて頂いた通りですが、パートナー企業が競合商材を複数扱っていることを鑑みれば、各パートナー企業における自社商材のシェア率を高めることが、パートナービジネスにおける戦略であり、そのKFSはパートナー営業担当の案件獲得数です

代理店(パートナー)ビジネスの実態調査 株式会社才流

この状態を創り上げるためには2:6:2の法則で言う、6のボリュームが案件を獲得してくれるのか?で、勝敗が決まると言っても過言ではないでしょう

「トップセールスさえ押さえておけば良い」というのは間違ったアカウントプラン

良くキーマン特定のノウハウでは、トップ営業を抑えることの重要性が説かれますが、これは、既に成果を出している担当者のノウハウ、つまり成功事例を言語化することによって、他の担当者の再現性を高める、というのがポイントです

Partner Sales Enablementにおいても重要な戦術なのですが、一方で、これだけでは実際に再現性を生み出すことは困難です

モメンタムに必要なのは、「勘所さえ掴めば成果を出せる潜在サブリーダー人物」

前述の通り、既に成果を出しているトップセールスは、そのノウハウを吸収させて頂くために非常に貴重な存在です
もちろん、実績を牽引してくれていることも含めて、有効かつ継続的な関係性を構築したい人物です

一方で、トップセールスのノウハウをそのまま再現するのは困難なケースが多々あります

残念ながら、どのような領域にも努力で超えられない壁はある

「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」で有名なエジソンの名言ではないですが、どれだけロジックを突き詰めてアクションを繰り返しても、超えられない壁というのはあります

Enablementとは「出来るようにする」という意味なので、Partner Sales Enablementを提唱する私が、このようなことを言うのは矛盾に聞こえる方もいらっしゃるかもしれませんが、事実だと考えています
100%全ての方にEnablementが通用するとは考えていません

ましてやセールスは、前回のnoteでも記載させて頂いた通り、完全な、あるいは、絶対的な因果関係で成果のロジックを紐解くことは困難です

これは、AIの世界でも同様で、技術が進化したとしても、再現性を高めることは可能ですが、100%の回答を出力することは出来ません

直販であれ、パートナービジネスであれ、セールスの世界にも、センスやタイミング、それ以外にも相性など、理論では説明のできない領域があります

人は合理ではなく感情の生物だと言われる証左ともいえますね

特にセンスや相性は、ある意味非常に厄介です
あえてスキルに置き換えるなら、コミュニケーション能力や巻き込み力のようなものが該当しそうですが、トップセールスの方達は、それらを感覚的に実践していることが多く、言語化できないことが少なくありません

そのため、成果をあげられている方法を詳しく聞いても、「なんでこの説明で分からないの?」と懸念されてしまうケースもあります
これは、ただ愚直にヒアリングするだけでなく、行間を読み解く・繋ぎ合わせる・パターン化する、などの思考力を用いてノウハウを加工する必要があります

この方法論は、また別の機会に論じるとして、
トップセールスの感覚的あるいはセンスを活用したノウハウをそのまま共有しても、誰も再現出来ず成果に繋がらない、ということが多々起こります

またトップセールスは、その組織においてもトップセールスと認識されている可能性があるため、自分自身と比較した際のギャップをネガティブに捉えてしまう、あるいは、言い訳に変えているケースも少なくありません

つまりトップセールスは、「ノウハウの種と実績自体に大きな価値があるが、モメンタムを生み出す力を持っているとは限らない」存在です
スポーツのトッププレイヤーが名監督・名コーチとは限らないのと同様の理論かもしれません

2:6:2の「6」のなかにこそ、モメンタムを創り出すサブリーダーがいる

どれだけセールスツールが素晴らしかったとしても、初めての提案でいきなり成果を出せる人はなかなかいません(いたとすると、先ほどの優れたセンスの持ち主くらいです)
何度も自ら実践し、自分の言葉に転換していくことで、はじめて効果的な提案ができるようになります

上記の行動を起こさせるのに重要なのが「自信」や「期待」です

つまり、「あの人が、あのような方法で成果を出せたのなら、私にも出来るかもしれない!」と思ってもらうことが重要であり、このトレンドを生み出すことがモメンタムにつながります

モメンタムを生み出すキーマンが、マネジメント力を保有しているかどうかは関係ありません
組織内の人間関係は影響因子になってしまいますが、2:6:2の6の方は、良くも悪くも目立たずのケースが多いため、組織内で敵視されている可能性は少ないのではないでしょうか?

このようなキーマンが、成果を出すことによって自信に繋がり、その成果を聞いた他のプレイヤーも、その噂を聞いてマネをする

上記の通り、組織の状況や文化・評価制度などによっても影響があるため、どれだけの割合の担当者に火が付けば、大きなモメンタムが生まれるのか?という、いわゆるマジックナンバーを一意の定量指標で表現することは難しいですが、私の肌感でいえば、10~15%のメンバーが成果を出せれば、一気にモメンタムが広がるケースは多いのではないかと考えています

営業同席でクイックウィンの創出

キーマンを発見できたら、まず営業同席を繰り返しましょう。
自社の商材の提案方法を一番深く理解しているのは、ベンダー/メーカー側の担当者です。

成果をあげる要素としては、ターゲティングや売り方開発が必要ですが、クイックに実績に繋げるには、営業同席が最も確率が高まります。

また、これは私の経験上ですが、「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、誉めてやらねば、人は動かじ」という山本五十六の格言は、非常に効果が高いです。

まず手本を見せて覚えてもらうという意味でも、キーマンとの営業同席を繰り返して、クイックウィンに繋げることが最良です。

まとめ

モメンタムの創出を目的としたPDCAの実践

まとめになりますが、
パートナービジネスの戦術として、パートナー企業毎の自社商材シェアを高めていくために、
・キーマンの特定と営業同席でのクイックウィンを繰り返し
・モメンタムを生み出すマジックナンバーを見つけていく

というPDCAを高速に回すことが、パートナービジネスで業績を高めるためのキーアクションになります

次回は、成果を高める方法をテーマに、note投稿にしたいと思います

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パートナービジネス(パートナーセールス/代理店販売)とSales Enablementを掛け算したPartner Sales Enablementを構築すべく、週1回のnote投稿にチャレンジしています

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