見出し画像

【Partner Business × Sales Enablement】Partner Sales Enablementの重要アクション:その一【前編】

パートナーサクセスの村田です
パートナービジネス(パートナーセールス/代理店販売)で業績を拡大するための重要な戦略の一つとしてPartner Sales Enablementを提唱しています

前回のnoteでは、Partner Sales Enablementの基本的な考え方を述べさせて頂きました

今回は、Partner Sales Enablementの重要アクションに関して書きたいと思います


Partner Sales Enablementの重要アクションは、①キーマン特定→②クイックウィン→③モメンタム創出

パートナーごとのシェア拡大と、ノウハウの横展開がキーステップ

まず、改めてのおさらいですが、パートナービジネス(パートナーセールス/代理店販売)は、社外のアセットを活用するというチャネル戦略であり、パートナー営業担当者のアクティブ率を向上させることで成果レバレッジさせるのが戦術です

既に保有しているはずのアセットは、リソース1%の問題の発生により、遊休資産化しているケースがほとんどですので、活用資産に変える、という担当者数に着目した戦略の組み立てが重要になります

またパートナーは、平均して4つの競合商材を扱っているという状態を鑑みれば、

代理店(パートナー)ビジネスの実態調査 株式会社才流

各パートナー企業における、自社の案件または売上のシェアを高めて、ノウハウを蓄積し、横展開をすることが、パートナービジネスで実践すべきステップになると考えられます

これを実行していくために必要なことが、Partner Sales Enablementの重要アクション⑴、①キーマン特定→②クイックウィン→③モメンタム創出、です

キーマン特定

前回のnoteでキーマンは2つの人物像がいることを述べました

発見すべきキーマン
1. すでに成果を出している担当者

2. やる気はあるが、まだ成果に結びついていない担当者

パートナービジネス(パートナーセールス/代理店販売)を成功に導くPartner Sales Enablementとは

改めてのおさらいですが、
1. の人物は、成果要因からノウハウを吸収するために重要であり、
2. の人物は、成果をレバレッジさせるためのキーパーソンです

そして、パートナー企業営業担当のセールスプロセスを鑑みた際、共通する最初の入り口のアクションとして、資料などのファイル閲覧にフォーカスをする、という話を書きました

もう少し具体的にブレークダウンしてみます

資料の閲覧ログ ≒ 案件の発見

パートナー企業の営業担当が資料を閲覧しているタイミングとは、どのようなタイミングでしょうか?

それは大きく2つに分類されます

  1. 商材に対して興味を持っている

  2. お客様が目の前にいる

これは言い換えると、
案件を獲得する可能性があるか、すでに案件を保有しているか、ということになりますので、
案件のポテンシャルを秘めている状態であると言えます

この時、先ほどのキーマンの話を思い出してください
以下は、担当者別でのファイル閲覧ログと売上のクロス分析です

成果を出している担当者とファイル閲覧数は相関します
これは、想像がつきやすい分かりやすい結果だと思います

この方々は、キーマン① "すでに成果を出している担当者"と言えますので、ノウハウを提供してもらうためのヒアリングや、継続的に成果をあげてもらうための関係性維持が、重要なアクションになってきます

クロス分析で表現された散布図をクラスターで考えると、以下のような整理になります

このように、ファイル閲覧ログを活用すれば、最も重要なキーマン、つまり、成果のレバレッジに繋がるキーマンが誰かが分かりやすいですね

最終的には、商材に対しての興味が薄い担当者も成果が出せるようになるのが理想ですが、優先順位としては劣後します

興味を持って案件を獲得しようとしてくれている、または案件をすでに持っており、より具体的な提案に進めようとしてくれている担当者に対して、素早くアプローチし、彼らのニーズや課題に応じたセールスサポートを実行することで、効率的かつ効果的なアクションが可能になります

組織のパフォーマンスを表す2:6:2の法則

パレートの法則(2:8の法則)から派生した、働きアリの法則とも呼ばれる2:6:2の法則は、組織のパフォーマンスを表現するのに、とても適しています

私自身のこれまでの経験則からも、この理論は的を得ていると感じますし、戦略・戦術を考察する際の、思考の軸になっています

念の為断っておきますが、この法則はあくまで相対的な比率を表したものであり、絶対的な優劣ではかれるものではありません
当然、文脈によって、その当てはまり方は異なります

売上などの業績にフォーカスを当てた際、2割の顧客が8割の成果に貢献しているというパレートの法則は、皆さんも既に体感されているかと思います

一方で、パートナービジネス(パートナーセールス/代理店販売)においては、1%リソース問題の発生を勘案すれば、そもそも成果をあげている担当者が、2割にも満たないという状況にあります

また同様に、複数商材を扱っていることを鑑みれば、いかに多くの営業担当に提案してもらうか、売ってもらうか、が重要になるため、パートナー企業を単体で考える場合には、2:6:2の法則を考える方が、適切な戦略理解につながります

まだ、トッププレイヤーとして活躍している担当者、つまり、キーマン①がいない場合は、まずキーマン①を生み出すことから着手するべきですが、成果のレバレッジという観点では、ミドルプレイヤーたるキーマン②の発見とセールスサポートがキーアクションになります

担当者のスキルよりも、まず興味でとらえる

前述の2:6:2の法則を考える際、パートナービジネスにおいては、スキルよりも、まず興味で捉えることが重要になります

興味をもう少し言語化すると、「商材を提案しようと思うこと」つまり"モチベーション"と捉えることが可能ですが、
前述の、ファイル閲覧ログと売上の散布図を、以下のような4象限で整理します

モチベーションは活動量につながりますので、活動量を直接コントロールするのが難しいパートナービジネスにおいては、重要指標となります

では一方で、成果の再現性に対しては、どうアプローチするのでしょうか?

キーマンの発見と仕組み作り

成果の再現性は、仕組み × 行動量 × スキルで分解が可能です

仕組み:売り方開発
行動:今ニーズがあるターゲットの発見と売り方改善
スキル:コミュニケーション能力やプレゼン能力など多岐にわたる

仕組み、つまり売り方開発に関しては、Partner Sales Enablementにおいて非常に重要な要素となります

一方で、スキルに関しては議論が必要なポイントです

理由は、売り方を教えるという意味での育成は必要ですが、スキルを育成するというのは、パートナー企業側の責任であり、むしろ売る力やチャネルを持っているからこそ、パートナーシップを組むのが目的なため、担当者のスキル育成は、余程の関係性や、戦略的な意図がない限りは、不要であるとも考えられます

売り方開発の方法に関しては、また別の機会に記載させていただきますが、まずは成果の再現性をポテンシャルとして持っているキーマンを特定することが重要になります

売り方開発や育成は、案件獲得率や成約率などの「質」を改善する行動であるため、どうしてもリードタイムがかかってしまいます

実際には並行して取り組んでいきますが、まずは、①モチベーションの高い担当者の特定→②セールスサポートアプローチ→③成果の再現性があるキーマンの特定、という順序で、このキーマンを発見するためのアクションを増加させることが、優先順位の高い活動になります

このキーマンの特定が、Partner Sales Enablementの重要アクション⑴の、「③モメンタム創出」に非常に重要なキーポイントとなります

次回は、Partner Sales Enablementの重要アクション⑴、①キーマン特定→②クイックウィン→③モメンタム創出のうち、
③モメンタムの創出について記載することで、さらに①の理解の深掘りと、その実践方法の理解に繋げていきたいと思います

最後に蛇足

少し話はそれますが、セールスは最もその成果要因の特定が難しい分野だと、個人的には考えています

何故なら、成果に繋がる要因は、商材の魅力や個人の能力だけに限らず、タイミングや担当者との相性など、結果を構成する影響因子が多すぎるため、成果の要因を、相関関係で捉えることはできても、因果関係で特定することは、ほぼ不可能に近いのではないでしょうか?

この領域にチャレンジしているサービスも生まれ始めていますが、性格やキャラクター分析だけでなく、その人の所作や雰囲気も含めた人物像特定と相性のパターン化、外部要因・内部要因含めた、ある特定タイミングでの心理状態、商談前のテキストや電話でのコミュニケーション、商談時の表情・言動・会話のテンポや内容、など、
非常に総合的な事柄のデータが大量に取得できたとしても、統計学でいうp値0.05以下、「帰無仮説が正であれば(つまり仮説が成立しない)、観測されたような事象が生じる確率は5%以下と極めて珍しい」と言える結果を出すのは困難だと考えます

AIやIoTの進化によって、類推が可能なレベルにはなるでしょうが、そもそも人は感情の生き物ですので、経済学のように「人はそれなりに合理的である」という前提に基づいた解釈は可能になったとしても、それによって完全合理な成果ロジックは出来ない、というのが私の結論です

だからこそ一方では、科学することの価値があると考えています
Partner Sales Enablementは考えれば、考えるほど奥が深い

この記事がパートナービジネス(パートナーセールス/代理店販売)を実践されていらっしゃる方の一助になれば幸いです

==================================================
パートナービジネス(パートナーセールス/代理店販売)とSales Enablementを掛け算したPartner Sales Enablementを構築すべく、週1回のnote投稿にチャレンジしています

パートナーセールス・代理店販売のノウハウとして、「こんなのもあるよ!」という方がいらっしゃいましたら、是非お声がけください!

お気軽にご連絡ください!
Facebook:https://www.facebook.com/HEROmurata
LinkedIn:https://www.linkedin.com/in/hiroki-murata/
X(旧
 : Twitter):https://twitter.com/BizHeroStyle


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?