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【Partner Business × Sales Enablement】パートナービジネス(パートナーセールス/代理店販売)を成功に導くPartner Sales Enablementとは

パートナーサクセスの村田です
パートナービジネス(パートナーセールス/代理店販売)で業績を拡大するための重要な戦略の一つとしてPartner Sales Enablementを提唱していますが、
今回はPartner Sales Enablementの考え方について述べていきます


パートナービジネス(パートナーセールス/代理店販売)の最重要な問いを、改めて認識する

改めてですが、パートナービジネス(パートナーセールス/代理店販売)の最大のメリットは、「パートナー営業担当者のアクティブ率の向上による成果レバレッジ」です

同時にこのポイントが最大のイシューになっていることは、前回のnoteで記載させていただきました

パートナー企業の担当者ではなく、パートナー企業を戦略対象の単位として見てしまうことで、以下のような問題に陥りやすくなります

1. "売ってくれる"パートナー開拓に終始してしまう
2. 属人的に仲の良いパートナー企業担当者とのやり取りのみに留まってしまう
3. 場当たり的なアプローチの繰り返しになってしまう

パートナー契約を締結しただけで、都合よく売ってくれるパートナー企業の営業担当者はほぼ存在しないでしょうし、パートナー企業にとってみれば、まだ自社内で誰も成果をあげたことのない商材に対して、いきなり目標を定めるのはリスクでしかありません
※ユーザーからのよほど強烈なニーズがある人気商材なら、話は別ですが、、、

属人的に仲の良いパートナーとの関係性だけでは、退職や異動などによる売上消滅のリスクがあります

最終的に提案するのは担当者ですが、彼らが見えていないことで、アクションの優先順位も付けられず、適切なPDCAの実践も困難になります

パートナー企業の営業担当者にとって大切なことは、その商材を提案することで売れるのか?ということです
もっというと、自分の予算(目標)を達成できるか?ということが最大の関心ごとです

もちろん、戦略的なパートナー開拓は非常に重要です

一方で、本当に成果があがるかは、やってみなければ分かりませんし、どれだけ相性の良さそうなパートナー企業を見つけたとしても、成果が出なければ、仮に最初から共通の目標を立てていたとしても、「現場が成果を出せないので、一旦白紙に戻させてください」と言われるのがオチです

成果があがるからこそ、より良いパートナーシップを築けますし、その成功事例を活用することによって、より良質な戦略や計画の策定が可能になります

ではどうやって成果をあげるのか?
という疑問に答えるのがPartner Sales Enablementです

Partner Sales Enablementを実行するために、パートナービジネスにおける、重要な問いとは何かを理解する

ズバリ、「如何にして、より多くのパートナー企業営業担当者に売ってもらうのか?」ですが、この問いは視点を変える必要があります

本当に問うべきは、
「どうすれば、より多くのパートナー企業の営業担当者が売りたくなるか?」
です

主観か客観か、という話ですが、
主観で考えるとつい、「コントロールしよう」「マネジメントしよう」という発想が強くなってしまうため、解像度が低くなる可能性があります

パートナー企業が、複数の競合商材を扱う事実や、直販のような強制的なコントロールが不可能なことを鑑みれば、パートナー企業の営業担当者は、ある意味で"顧客"という立場にあると考えた方が、より効果的な施策を検討しやすくなります
※顧客とはいえ、関係性や立場の上下を表す意味ではありません

実際にパートナー企業の営業担当者がどうやって提案する商材を決めているのかというと、実は「コミュニケーションの取りやすさ」などの感情的な、または定性的な理由が影響しているというのが実態です

出典:株式会社才流「 代理店(パートナー)ビジネスの 実態調査」

また、メーカー/ベンダーに対する満足度も、上記の理由と紐づく内容になっています

出典:株式会社才流「 代理店(パートナー)ビジネスの 実態調査」

この調査の内容を鑑みても、パートナー企業単位ではなく、パートナー企業の営業担当者に対するアプローチの重要性が認められるため、
Partner Sales Enablementは効果的な手段と言えます

Partner Sales Enablementの効果とは

KGIはアクティブ率

パートナービジネスの効果は「パートナー営業担当者のアクティブ率の向上による成果レバレッジ」ですので、KGIはアクティブ率になります

つまり、パートナービジネス(パートナーセールス/代理店販売)の目標を達成するためには、アクティブ率、つまり、提案してくれるパートナー企業の営業担当者が増加することがKGIであり、その結果としての業績達成という道筋になります

Partner Sales Enablementはその達成手法です

Partner Sales Enablementの効果とは、まさにこのKGIであるアクティブ率の向上にあります

KGIをさらにKPIにブレイクダウンしていく必要がありますが、このKGIの現状が分からない状態では、Partner Sales Enablementの効果を測定できません

それは、ひいては戦略的かつ計画的なパートナービジネスを実行できないことになります

前回のnoteでも述べたとおり、まずは現状のファクトを可視化することからスタートすることが重要です

スコープを捉える

ではパートナービジネスでは、どのようなKPIが考えられるでしょうか?

セールス活動においては、かなりざっくりですが、活動人数・活動数・成約率などが、KPIとして分解されます

この時、よく起こりがちなのは、「成約率」にまず着目しようとすることですが、それは危険です

成約率はそんなに簡単に向上できるものではありません
成約率にヒットする施策には、営業力強化(育成)や商材強化などがありますが、リードタイムが長く、また、個人によっての能力差もあるので難易度も高く、一筋縄では行きません

つまり、まずは「量」に着目したKPIの設定が必要です

さらに、パートナービジネス(パートナーセールス/代理店販売)と直販セールスとの大きな違いは、そのコントロール範囲にあります

他社商材も複数扱うことから、毎回の商談で必ずしも自社の商材を提案しているとは限りません
また、直販部隊であれば、SFAの導入などによって、各セールスプロセスの進捗状況を可視化し、ボトルネック = 歩留まりを特定して、効果的な施策を実施するという一連の流れを実行しやすいですが(※直販でも営業が全然入力しない問題がありますが、その話題は一旦ここでは割愛します)、
パートナーセールスの場合は、全てのパートナー企業営業担当に、SFAのIDを発行して、自社の案件だけに関わる情報を入力をしてもらうことは、パートナーの作業負担やコストを勘案しても、かなりハードルが高いはずです

同様に、すべての商談に同席したり、録画データを共有してもらうこともハードルが高いでしょう

これらの要因を鑑みた際、パートナーセールスにおいてコントロールできる範囲とはなんでしょうか?

最もアクションや施策実行のコントロールが可能な範囲が、フォーカスするべきスコープになります

キーアクションを見つける

前述のように考えた際、必ず全員に共通するアクションの入り口は「資料の閲覧」です
つまりこれを何人の担当者が資料を閲覧しているのか?が、最初にフォーカスすべきキーアクションであり、スコープになります

パートナー企業の営業担当が資料を見るタイミングは主に2つ

  1. 商材や売り方を、知りたい・理解したいと思っている時

  2. お客様を目の前にしている時

つまり、資料を見ている営業担当者とは、すでに案件を保有しているか、案件を獲得する機会がある状態、と言えます

彼らに対して優先的にアプローチをすることで、効果的に成果に繋げることが可能です

「資料を見ている担当者にアプローチをする→実践してもらう→結果を振り返る」というサイクルを作れるかが、Parnter Enablementの重要なポイントになります

キーマンは誰か

資料閲覧をキーアクションとした時に実施すべき具体的な重要タスクは

  1. 資料を見てくれる担当者を増やすこと

  2. 資料を見てくれている担当者を発見すること

の2点になります

"1. 資料を見てくれる担当者を増やすこと"に関しては、「どうしたら見てくれる人が増えるだろうか?」と、日々奮闘されていることと思います

この解決策として、"何かの施策によって、パートナー企業の営業担当が全員見てくれる"という魔法は存在せず、ある意味地道な活動が求められる部分だと思います
※ただし、改善策はありますので、別の投稿で解説します

一方で、"2. 資料を見てくれている担当者の発見"は、すでに資料を閲覧しているという事実があるので、発見だけであれば容易です

では、資料を閲覧している担当者の中でも誰に注目するのか?
が非常に重要なポイントになります

パートナービジネスにおいて、キーマンは2人いる

結論から言うと、パートナービジネスにおけるキーマンとは、以下の2種類の人物です

  1. すでに成果を出している担当者

  2. やる気はあるが、まだ成果に結びついていない担当者

すでに成果が出ている担当者は、認識もあり、また仲が良く、頻繁に連絡をとっており、資料もよく閲覧してくれている、というケースが多いのではないでしょうか?

しかし、どれだけ営業能力の高いセールスパーソンであっても、一人で生み出せる成果には限界がありますし、また、彼の異動や退職に伴う売上喪失のリスクも抱えていることになります

彼がキーマンたる所以とは、成果を出せているからこそ、彼の提案ノウハウには必ずヒントがあるからです
売れている理由や背景をヒアリングし、提案ノウハウを抽出してセールス手法の型化に協力してもらいましょう

では、"やる気があるが、まだ成果に結びついていない担当者"が、何故キーマンなのでしょうか?

それは、彼が成果を出すことによって、そのパートナー企業の組織内に、「提案したいと思う流れ」つまり、「モメンタム」を起こす可能性を秘めているからです

一方で、彼らとは、まだ頻繁にコミュニケーションを取れていない、誰がそのキーマンなのかが特定できていない、というケースが非常に多いです

すでに成果を出している人の陰に隠れているようなイメージでしょうか?

このキーマンの発見と、効果的アプローチがSales Enablementの重要アクションとなってきますので、
次回は、具体的な方法について述べたいと思います

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パートナービジネス(パートナーセールス/代理店販売)とSales Enablementを掛け算したPartner Sales Enablementを構築すべく、週1回のnote投稿にチャレンジしています

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