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【雑記】「外さない」映画とは何か

こんばんは、ヒトシです。
たまたま茶の間のテレビを好きに使えそうなのでfireスティックを起動、そのまま映画を探すということをしていたら丁度「公開当時見たかったけど見れなかった映画」に出くわしました。

"Into the Storm(2014・米)"です。

いわゆる「天災パニックムービー」というのは古今東西数多製作されており、巨額の予算を用意して押し切った「超大作」からワンテーマ低予算で味わいを出した「B級映画」まで幅広く世に産まれています。
その中でこの映画の事は何故か覚えていた。覚えていたからには「何か引っかかった」からに違いない。

ならば見るしかない。

高校の卒業式を控えたある朝。25年後の自分たちへ向けたタイムカプセル映像を撮るドニーはお父ちゃん(高校の教頭)に対して絶賛反抗期。竜巻のニュースを元に卒業式の延期を検討するお父ちゃんをよそにドニーはタイムカプセル映像にひたすら打ち込む。

一方、竜巻のニュースを元にその様子を撮影せんとする2組の「ストームハンター」が動き出していた。片や専門家付きの男の子のロマンたっぷりな移動要塞車両を要する「チーム・タイタス」、片や再生回数3桁の向こう見ずアメリカンYouTuberチーム。父と子、プロとアマチュア、男と女、民間人と専門家とアホ。その全てが絡み合う最中、規格外の超弩級竜巻が雹や雷を先触れに接近していた……!

というのが大まかなあらすじですがこの映画、こんな定型文に近いあらすじと展開なのにダレない無駄なシーンもない。これは本当に難しいことです。どんな名作にも大抵一つや二つは「何故入れた!言え!」とスタッフの首を掴んで地面にキスさせたくなるシーンが入るもの。ところがこの映画、本当にそういうシーンがない。「何故このYouTuber達は自宅のプールでアホなスタント演習をしていたのか」「タイムカプセル映像に出てくるおじいさん、そもそも必要だったのか」という疑問に中盤から淀みなくお答えしてくる。脚本の妙、上映時間の妙を感じさせます。

そしてこの映画もうひとつの注目点は「勧める相手を選ぶ必要があんまりない」ということ。なんせ父・子・プロストームハンター・YouTuberの4本の横糸を器用に絡めてくるので「天災を前にした人間ドラマ」も「命知らずの残念YouTuber」も「竜巻撮影のドキュメント風味映像」も、もちろん「竜巻による大破壊」もたっぷり見れるのです。特に中盤の「火炎大旋風」はほとんど恐怖映像の域。人を焼きながら打ち上げる、まさしく「人をダメにする竜巻」は空恐ろしいものです。

どんな創作物でも「まとめる」「収める」というのは本当に至難の業だと信じています。そんな世界においてここまで「過不足なく完結させる」というのはもっと褒められて然るべき所業。人間ドラマが見たい人にも、景気のいい大破壊が見たい人にも、「いいまとめ方」を学びたい人にも勧めうる良作でした。

【評価】
破壊力:3.9/5(爆破解体のプロも白目をむく壊しっぷり)
人間ドラマ:3.1/5(あくまで私見です 人によってはもっと加点されるかも)
まとまり:4.9/5(世の中にはもっと綺麗にまとめてくる映画もあるのかもしれないと考えると怖い)

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