死にたくなる毎日だった1社目の日々の話 2
違う事業所では仕事の内容も大筋は同じですぐ慣れた。
その職場の平均年齢は割と高く8割が人間ドッグ対象者だった。
そのためギラついている人は少なく、みなさん気さくに話しかけてくれて緊張しいの自分でもリラックスできて働けた。
ここでならずっとやっていけそう。そう思った。
半年ほど経った日ラインの異動の話があった。
「コダさんが定年されるから代わりに入ってほしい」
コダさんはその職場で古株なのに初歩の業務しかできないと職場の人に下に見られていたおじさんのこと。
そんなに難しい仕事でなかったためなぜそれだけしかできないのかがわからなかった。
「元のラインよりは早いけど十分やれるよ」
そう言われて少し安心した記憶がある。
新しい上司はテキパキした方だった。
仕事も要領良く一言で言えば優秀。
自分でも部署内でもそう認知されている方。
コダさんから引き継ぎを受け、できない業務は上司からOJTを受けた。
はじめに違和感を感じたのはその2週間後だった。
「おはようございます。」
「……」
挨拶が返ってこない。
気がつかなかったのか?
次の日もその次の日も返ってこない。
挨拶を無視している。
その時は理由がわからなかったが後でそれは確信に変わった。
挨拶を無視される日が続いたが正直その程度は気にしなかった。そう言う人もいる。それを知っていたから。
お昼休憩、食堂でご飯を食べていると歳の近い先輩が同じ席に腰掛け一緒して下さった。
昨日のテレビの話、先輩の彼女の話、少し話した後先輩が言った。
「上司にちゃんと謝ったか?怒ってるぞ?」
「え…?」
よくわからない。怒らせるようなことをした覚えがなかったのだ。
「あ…、ライン入る前なかなか捕まらなくて、ライン入ると機会逃しちゃうんです。今日中には!」
全くわからない。
ただはっきりしたのは、挨拶は聞こえていなかったわけじゃなくて意図的だったこと。
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