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明日の風に乗って(6)


 最後に、老人は自身の日記に、一つの重要なメッセージを残しました。「希望の光は、心が求めればどんな霧の中にも現れる」と。この言葉は、彼の経験と智慧が凝縮されたものであり、後世の人々へのメッセージとなりました。 アキオはその言葉を胸に刻み、灯台からの帰り道、心に新たな光を感じていました。彼は自分の旅が、単なる光を追いかける旅ではなく、自分自身の希望と向き合う旅だったことを理解しました。そして、彼は、その希望の光を、これからも胸に宿しながら歩んでいくことを誓いました。

 アキオは、古い灯台の階段をゆっくりと下りながら、その日一日の出来事を思い返していました。彼はこの灯台を訪れることで何かを見つけられると期待していましたが、それが何であるかは明確ではありませんでした。朝の光が海を照らす中、彼は灯台の最上部に立ち、遠くまで広がる水平線を眺めていました。そこでは、海と空が一体となり、果てしない世界の美しさを彼に見せてくれました。 アキオは、この旅が自分にとって単なる逃避ではなく、何かもっと大きな意味を持っていることを感じていました。彼は自分の内面と向き合う時間が必要だったのです。灯台の各階を降りながら、彼の心は徐々に落ち着きを取り戻し、自分自身の考えや感情に耳を傾けることができるようになりました。

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