おさる

読んだ本や漫画のことを書いていこうかな、と思っています。そのうち、日々のことなんかも書…

おさる

読んだ本や漫画のことを書いていこうかな、と思っています。そのうち、日々のことなんかも書けるようになりたいです。

最近の記事

「怪物はささやく」(小説)がささやいてくる

主人公コナー・オマリーのおかれている状況は深刻だ。シングルマザーである母の病気、いじめ、気の合わない祖母、あてにならない父。そこに、怪物がやってきてこう言う。自分は3つの物語をする、最後の1つはおまえが話せ、と。 怪物の話は、2つめまではよく理解でき、共感もできた。また、母親とのやりとりも仲の良い親友どうしみたいで、いい距離感があった。3つめは現実とリンクする。いじめ主犯のハリーは言う。もうおまえのことは見ないと。ハリーのいままでの思わせぶりな行動はここに行き着く。どうしたら

    • ホラーと狂騒「ねじの回転」

      男女の亡霊と対峙する女性の話です。女性は住み込みの家庭教師。女性がたまたま霊が見える系の人であったことから、亡霊との攻防が始まります。スリラー的な展開のはずが、話は次第におかしな方向に。例えば女性が、教え子の少女がボートを漕いで、さらにはそれを隠すところまでやってのけた、と思いこむシーン。女性は「小さい少女の仕草にしては、驚くべき離れ業」「異常な臨機応変の手管」と言うのですが、小1くらい、下手したら幼稚園くらいのお嬢様がボートを漕ぐこと自体おかしな話です。  ほんとうにすべて

      • 今さら?「薔薇王の葬列」読了(ネタバレ炸裂)

        1部を読み終え2部になると、バッキンガムとのからみがやたら増えて、リチャードも色気ムンムンになっちゃって、「こんなの、わたしの好きだったリチャードじゃないんだから!」とモヤモヤしながら読み進めたら、なんと、伏線拾いまくりの、モヤモヤどころかドカンと青天に突き抜けるような最終巻だった。そっか、パパ大好きはママ大好きの裏返しで、ジャンヌはリチャード自身で、ティレルの「きみを殺す」は身代わりに死ぬ、という意味だったのかあ。 最後の戦いでリチャードがケイツビーに救出されたのは、ケイツ

      「怪物はささやく」(小説)がささやいてくる