社内教育について考えた
今日は経営者として、キャリアコンサルタントとして、本を読んで考えたことを書きたいと思います。
私は地方で中小企業を起業し、18年経営しています。1番神経を使うのが、従業員さんの雇用や退職、日々の成果を上げるためのマネージメントです。
これは経営者の方だけでなく、一人でも部下の居る管理職の方は皆さん同意してくださるのではないでしょうか。
職場というのは、人間関係がかなりのストレスを占めます。何もかも満足のいく職場があればベストですが、私は経験上、三つのどれかに当てはまれば続きました。それは、お金(給与)が良いか、仕事がやりがいがあって好きなものであるか、他の二つはともかく人間関係が良好な職場であるか、です。
人によってどれにウエイトを置くかはまちまちでしょうが、私は人間関係はかなり重要視して職場を選びました。
そして、キャリアは自分で貯めて高めるものと思って、たくさんのコツやメソッドを転職するたびに学んできたと思います。
それとは別に、いつも思うんですが、技術者は別として日本企業が社員に一番お金と労力をかけて教育するのは新卒の入社時ではないでしょうか。
うちのような独立ベンチャーは、入社時に大手のようにセミナーやレポートなどで丁寧な指導をする時間はありません。ほぼOJTとなってしまいます。
一方で、新入社員として教育を受けれなかった人って一定数いるんです。
学校出てすぐ結婚したから、うちのパートが初めての職場です。
スポーツ入社だったので、会社というもの自体がよく理解できてない。バイトもしたことない。スポーツをそれだけ真剣に人生打ち込んできた証だとは思います。素晴らしいです。
しかし残念ながら、こういう方は即戦力を求められる研修制度のしっかりない中小企業入社して戸惑うわけです。他の人たちが当たり前に共有している、普通はこうでしょ、という認識がどうもわからない。
まだ社会人の価値観を学んでいないので、学校をひきずってしまう。教えてもらうのが当然だとか、自分は間違ってないという行動を悪気なくとりがちです。
そして軋轢を起こしやすいのです。まだ知らないだけなのですが、年齢的に権利を強く主張する姿勢に周りからは非常識な人に見えたりします。
本人たちは経験不足の弱みを見せたくなくて余計に強く出ようとする。だからどうしても、職場で浮くことになります。
常識が学生時代から進化する時間がなかっただけなんです。周りは新卒時、社会で(かなり)手痛い洗礼を受けています。
皆さん常識もそこで一旦上書き済みですよね。
新入社員教育って実は社員側にも知的財産のようなものだなって思います。つまり、たまたま受けられなかった人は労働市場でかなりな損しちゃってる。
(外国ってどうなんやろ?知ってる人、コメントください!)
この「入社一年目の教科書」は
私も今読んでみてあーこういうことだよな、こういうの入社数年で自然に学んだな、っていう本でした。
新入社員研修を逃してしまったけど、今から社会で頑張りたいという、第二新卒枠も外れてしまってやりにくい、年上新社会人のアナタへオススメ。
「自分は頑張ってるのになぜ浮くんだろう」
大丈夫。若いんだから無知なのはベテランから見るとむしろ可愛いものです。仕事以外の違うことで頑張ってきたのも、周りはちゃんとわかってます。
まずはしばらく、謙虚に行きませんか。
人は若さに寛大です。やり直しの機会を与えて許してくれます。
あとは周りに甘えて育ててもらいましょう。そのことを口に出さなくてもいい。ただ感謝と尊敬をもって周りに接して下さい。会社の常識なんて、入った会社によっても違うし、半年もいれば普通に慣れます。
人間関係が上手くいかないのはもちろん幾つかの原因があります。
その中には単に、お互いの認識不足だったり誤解であることも多いです。これはコミュニケーションや会社の機能不全から見た問題点です。
また、新人教育というのはあなたのキャリアでとても価値ある財産になります。その意味で、大手の研究されつくし、効果的なプログラムを受けられることはとてもラッキーですね。それを受けれるから、と大手に入社する価値は充分あると思っています。
そしてこれからの人生100年時代、日本の産業が世界的に見て弱くなりつつある今、リスキリングなど、会社まかせではなく自分が自分のキャリアを計画的に構築していかなくては、労働市場で生き残っていけません。
私の周りの中小企業も各社、従業員のキャリア研修に予算や時間を割くところが増えました。それか、割り切ってエージェントからすでにそのスキルを持っている方を雇い入れます。時代の変化は早い。悠長に育ててる時間などないからです。企業は昔に比べて従業員の社員研修にお金をかけなくなったというデータもあります。
そして、社員の側にももちろん、変化し続ける労働市場で生き残るために、謙虚に学ぶ姿勢が求められると思います。それは過去の高度成長期やバブルの頃には、全くの受け身で良かった部分です。
考えてみれば日本人の給与レベルは相対的に見て昔よりむしろ下がっているのに、従業員側しては酷な話です。
個人的に、特にZ世代と言われる方達は、ここにとても敏感なように思います。この会社で誰から何を学べるか、自分のスキルを上げられるかを、とてもシビアに観ている世代です。日本の長い低迷期に生まれた彼らは見切りも早いので、会社側も、「最近の若い子は、、、」などと温いことを言わず、会社としてどう答えてゆくかを考えさせられます。
経営者も従業員も、大変に緊張感のある時代になりましたね。
でも、それが時代。それがビジネス。
日本的な面倒見の良さ、欧米式の生産性に対するシビアさ。
両方をうまく組み合わせて経営をしていきたいと考えています。
今日もお読みいただき、ありがとうございました😊
また来てくださいね。