見出し画像

だから私は売れなかった

私は水商売を始めて約10年が経ちますが、そのうち派遣ホステスとして働いている期間はまだ4年経つか経たないか程度です。

どこに行っても大して売れなかったのになぜ6年以上派遣にならなかったのか。それはただ単に派遣という働き方を知らなかったからです。既に都心部では10年以上前から派遣ホステスは存在していたそうですが、地方出身者なので身近に派遣会社や派遣の女の子が存在せず、情報に疎かったのです。

もしも、在籍に見切りをつけてもっと若いうちから派遣に切り替えていれば、ダラダラと在籍を続けるよりも効率的に稼げたかもしれない…と思うけれど、今はいくら後悔しても何も意味がない。

しかし、派遣ホステスとして数年働いた経験と年齢を重ねた事で、在籍時代の自分を客観的に見つめ直す事ができました。

すなわち、あの頃いくら頑張っても空回りして結果を出せず売れなかった原因が見えてきたという事です。そんな訳で、今日は私が在籍キャバ嬢として成功できなかった理由を綴ります。

もしも派遣ホステスとして働く事を考えている在籍キャバ嬢の方や、派遣か在籍で悩んでいる方がいましたら以下に記載する私の例を参考にして頂けたらと思います。

どの世界でも若くて綺麗なうちは需要があります。その若さを無駄にする事がないよう、自身の経験を交えた私なりの"売れなかった理由"に対する見解を述べておりますのでどうぞご覧下さい。

①色恋営業ができない                

接客中にベタベタくっついたり、客に対して好きだと勘違いさせる事が絶対的に必要不可欠という訳ではありません。しかしながら、客は好みのキャストをあわよくば落としたい…という希望を多少なりとも持って店に来ています。上記のような露骨なアピールはしなくとも、客がもしかしたら…と期待できるような隙を見せたり言葉や態度に表わせたりできれば十分。しかし、私にはそれが出来ませんでした。元々好きでも何でもない男にまで愛想良く振る舞うのが無理でドライな性格ゆえ、器用に隙や思わせぶりな言動を見せられませんでした。私のような態度を取り続ける女に対して男性側も"あー、こいつは絶対落とせないから店に通って口説いても無理だな"と冷めてしまうのです。

②メール無精                                        

元々、それなりに仲の良い相手に対してもメールやLINEの返信が遅れがちで、時間だけでなく心にもゆとりがないと文章を考えるのもダルいというのが本音です。相手の気持ちなど考えずに送ってきた内容に対して思った事をそのまま返信するだけならまだ簡単ですが、実際そうもいかないですよね。相手の言葉に対して"そうだね"とか"わかった"とだけ返信して相手に"一言だけ?なんか冷たい!"と思われるのも嫌だし、かと言ってきちんと文章を考えて返信するには時間的にも精神的にも余裕がある事が必要。仲の良い相手にさえこのくらい労力を使うので客の優先順位は更に下がるし、尚且つある程度の戦略的な内容でやりとりが出来なければ指名で来店してもらうなんて無理な話。2〜3日未読スルーも当たり前だったので、店側から"れいさん営業メールちゃんとしてる?"と聞かれる度にギクリとしましたが(笑)どこに行ってもこの体質は直せませんでした…。

③仕事と恋愛の両立ができない                   

プライベートでは彼氏がいる・結婚している・子供がいるというキャバ嬢やホステスさんも私が知っている限りでも決して少なくはありません。それでも、客の前では(中には普通に公言できる子もいるようですが)基本的にそのような私情は挟まず、その客にとって理想の女の子を演じ続けなければいけないのが水商売。そう分かっていましたが、私は自分自身の恋愛が上手くいっていない時に下心を持って店に来る客をあしらうのが本当に下手でした。客に口説かれれば口説かれるほど"この人達は私の言葉1つで簡単に寄ってくるのに、なんで彼は私を好きになってくれないんだろう"と感じて辛くなっていました。逆にこの仕事を始めてから、彼氏も好きな人もいない恋愛と完全無縁な時期が自分にとって一番楽だと思うようになりました。こうして文字に起こしてみると何だかそれも悲しいですね…

④自分自身の強みに欠ける                           

水商売の世界にいるとビジュアルの良さを売りにする子はもちろん、話の引き出しが豊富な子、聞き上手な子、独特の魅力的なキャラを確立している子…などそれぞれが様々な自分の強みを生かして指名数や売上を叩き出しているのが分かります。何か自分自身に売りになるものがないと客は付かない、と本業キャバ嬢時代に改めて感じました。私はビジュアルも良くなければトークが上手い訳でもない。それならば、と目指したポジションは"店で一番酒の飲める女"。在籍時代のドリンクレースイベントで一晩で1位を確定させた事もありました。(写真は8年前に在籍店で実際出されたランキングです)

画像1

ええ、もちろん53杯全部がアルコール入りだった訳ではありません。ただ、日頃から"私人よりもお酒が飲めるんです"アピールをしていた結果、席でドリンクが出やすくなってこのような成績に繋がっていたのは事実です。それでも年齢を重ねれば自然と飲める量は減ってくる。そうなった時に他に強みがないと厳しいというのが現実でした。ビジュアルやトークスキルは年齢を重ねても(もちろん努力は必要ですが)保てますが、お酒の強さはどうしても若い頃に比べたら劣ってきます。つまり、自分自身に残る強みが何もなかったという事です。私が酒豪を売りにして水商売史上最高の売上を出せたのは26歳までで、それ以降は大した結果を残せませんでした。

以上の4点が私が売れない三流キャバ嬢止まりだった大きな要因だと自己分析した結果ですが、思い起こす度にこの時から派遣をやっていれば良かったのに…と悔やまれます。

当時の私と現在同じくらいの年齢の方、今が一番年代的に稼げるチャンスです。人によって在籍と派遣とどちらで稼げるかは異なると思いますが、いずれにせよ若すぎず年増すぎず一番需要の多い世代だと思うので、どうか今できる事や今しかできない事をやり遂げて下さい。

ちなみに、昼職での再就職や転職成功を狙うのもこの時期が一番のチャンスだと思います。

かく言う私も、現状を少しでも変えていけるように三十路なりのやり方で前に進んでいきたいと思います。それではまた!

#水商売 #キャバ嬢 #ホステス #夜職

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?