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我が子は我が子

東京のやまだです。
本藤さんのご次男のスマホとゲームにまつわるお話に何度も首を大きく縦に振りながら共感しました。
そして父親の接し方がキーとなる・・・まさに我が家にも同じことが言えます。とても参考になりました。

さて、我が家の6歳差兄弟は中1(長男)と小1(次男)です。6月、7月はそれぞれの誕生月になります。6月生まれの長男は先日13歳になりました。
息子たちの誕生日が近づくと、それまでの成長を振り返りながらアルバムを見返す時間が増えてきます。初めての育児に翻弄されていた日々・・・。授乳、おむつ替え、沐浴、何もかもが戸惑いだらけ。親になった喜び以上に不安の方が大きく毎日が必死だったことを思い出します。
元々保育士でもあった私は人一倍、我が子にはより健全に育ってほしいという理想や期待も大きかったのかもしれません。親子の愛着形成、子どもの情緒、遊びや発達・・・それまでの知識や経験を活かし緩やかに楽しく子育てしたい! そんなふうにも思っていました。

ところが、理想と現実は違い・・・我が子の子育ては挫折の連続・・・思い通りにはいかないことの数々を思い知りました。
特に長男は歩き始めが遅かったことで、かなりヤキモキしました。今思えば、何も焦ることはないゆっくりその子のペースを見守ればいい・・・そんな言葉が自然と出てきます。でも当時はそうは思っても内心は不安だらけでした。まわりの子たちがずり這いからハイハイ、つかまり立ち、始めの一歩が出てヨチヨチと歩き始めても、うちの子はずり這い止まり・・・1歳をすぎても床をズリズリ・・1歳5ヶ月になっても床をズリズリ・・・ずり這いのスピードだけは速くなり同じ月齢の子がスタスタと歩き始めるのをズリズリと追いかけるその姿がちょっとした注目の的にもなりました。

ママ友たちは「大丈夫よ〜」「そのうちね・・・」と声をかけてくれます。しかし、「そろそろ公園へ行ってみようか・・・靴はどんなのが良いだろう・・・」そんな話題になるたびに、他の子のペースについていけていない我が子の姿に私自身が傷つき、「うちの子はみんなと違う・・・」と居心地が悪くなったり、肩身の狭さを感じたりもしました。
育児における先が見えない不安は、保育士としての知識や経験があってもどうにもならない・・・親としての感情は別物であることも実感しました。ママ友や同じ月齢の子といるのがだんだんと辛くなり、避けるようにして長男と2人で遊ぶことも多くありました。正直心細かった・・・。

そんななか、ふと立ち寄った子どもの遊び場で「あらっー、この子いいずり這いをしているわねー」と突然声をかけられました。
「えっ、でも1歳5ヶ月を過ぎてもハイハイもしないし、さすがに心配で・・・」
「何を言っているの、このずり這いを長く続けられる子は貴重なのよ」
元保育園の園長先生だったというその方は私の戸惑いをよそに話を続け、
「無理にハイハイさせようとか、早く歩けるようになんて思わなくていいから」と、他にもずり這いの良さを力説してくれました。
話の内容以上に、その先生が笑顔で話かけてくれるのを見て長男がいつも以上に嬉しそうにズリズリしていた光景が、今でも忘れられません。

同時に、私は我が子に何を求めていたのだろう。早くみんなと同じように歩いてほしい・・・そんな気持ちに囚われて、「なかなか歩かない、ずり這いしかしない、みんなと同じ成長をしない・・・」と無意識にも我が子を否定していた自分を恥じました。そして無意識ながらも我が子を否定していることに何よりも辛さを感じていたことにも気づいたのです。
それが「いいずり這いをしているわねー」と言われたことで「えっ、うちの子はこれでいいの」「そっか、これでいいのか」と、初めて長男のずり這いを肯定する目を持つことができました。
歩こうが歩かまいが我が子は我が子。たくさんの笑顔が見られるように思う存分ずり這いをさせてあげればいい・・・そんなふうに思えると気持ちが楽になりました。

あれから13年、長男は今となっては歩き始めが遅かったことを誰も信じないほどに逞しく育っています。
その後も成長とともに「他の子に比べてうちの子は・・・」とつい思ってしまうことは色々とありました。でも最終的には、我が子は我が子。どんな見方や励ましをすると持っている力を十分に発揮することができるか、否定ではなく肯定する目を持ち続けるようにしています。
そして長男に続き7月は次男の誕生日。アルバムを見ながらこれまた色々なエピソードが思いだされます・・・それでも我が子は我が子。当日は次男のとびっきりの笑顔が見られるようにお祝いをしようと思います。

2021年7月5日
東京都/やまだゆか 
NPO法人ハートフルコミュニケーション認定ハートフルコーチ



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