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キングダム展(ネタバレ有)

heartbeatです。

今回は無料記事です。

連休中日、上野の森美術館で開催中の

「キングダム展」にいってきました。

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時間帯指定で、滞在時間も短めに行ってきましたが、さすがの人気漫画の原画展とあって人が結構多かったです。

累計8300万部の大ベストセラーであり、手塚治虫漫画大賞も受賞した、文句無く名作と呼ばれるにふさわしいキングダム。

連載15年を記念して行われたキングダム展をレポートしてみたいと思います。

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コロナ禍で海外から作品を呼ばない中、手頃な漫画作品で適当に展示して人を呼ぼうとしているのかな、とひねくれた僕は思っていったのですが…

とんでもなかったです。

さすが上野の美術館。

キュレーターの方の熱意がほとばしるような、情熱的でメッセージ性のある展示に、思わず涙が出そうになるぐらい、原画そのものの展示の仕方も見やすいし、あの混沌とした世界観をよくこんなに分かりやすくまとめたな、とため息の出る展示でした。

作品を知らない人にも一応ご紹介しますと、キングダムという漫画作品はヤングジャンプで2006年から連載され、15年経った今も未だに連載中の大人気漫画です。

舞台は中国の戦国時代である春秋戦国時代の時代劇で、三国志より前の時代です。

何百年も続いた戦争の時代を駆け抜けた、英雄や、名もなき人たちの、命をかけた戦いぶりや、その生き様に、現代の厳しい時代を生きる僕たちにも通じる、「生きる力」を考えさせてくれる超大作です。

著者の原泰久(はらやすひさ)先生が漫画家になる前のサラリーマン時代に感じた、組織の中での美学や、人間関係におけるドラマを盛り込んでるとあり、ビジネス書としても社会人の人にとても人気が高いのが特徴です。

アニメ化、実写映画化されたことでも名前だけは知ってる、という人もいるのではないでしょうか。

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この漫画の魅力を僕なりに3つに絞ると、

①物語の壮大さ

②魅力的なたくさんのキャラクター

③迫力のある戦いのシーン

に尽きるのではないでしょうか。

今回の展示では、とくにこの3つを、取りこぼすことなく丁寧に原画と解説が置かれ、原作ファンも唸らせる見事な構成になっています。

僕が特にすごいなと思ったのは、後半の展示で、長時間の鑑賞で疲れてきたにも関わらず、心をぎゅっと掴まれるコーナーが最後に待ち受けています。

もし展示を見る前にこの記事を見ていたら、この先はネタバレになるので飛ばしてくださいね(笑)

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最終的に、主人公信(しん)と、秦の国の王・政(せい)で中国の統一を目指していくわけなんですが、人を殺し、国を獲る、これをどう読者に納得させるのか、ここが1番の作品のクライマックスなわけですね。

戦争孤児の主人公が、兄弟のように育ってきた幼馴染を王の身代わりに殺され、でも中国の統一のために、その王に仕えるなんて、なんとも悲しい運命じゃないですか。

でも主人公は、王が中国を統一して平和な世「人殺しをしなくても済む世」を作りたいという理想を持っていることを知って、協力していこう、と腹を括るわけです。

このコロナ禍にあって、僕たちは人殺しはないけれど、とても苦しい毎日を過ごしていると思います。

マスクをせずに家を出ただけで非難され、遠出をしただけで後ろ指を刺される。

なんのために生きてるのか、分からなくなりそうなぐらい、閉塞的で希望が感じられない。

戦国時代じゃないのに、戦国時代のような厭世観が漂っているようです。

キングダムの中では、心温かな人、人を思いやれる優しい人、友を助ける熱い人、国を守るために命を賭ける人、武将であることを誇りに戦い抜く人、など心を動かす素敵なキャラクターがたくさん登場します。

でも、その人達はばんばか殺されていくし、みるみる死んでいきます。

それは悲しいことなんですけど、それとは別に作品の中ではその人たちが懸命に生きた姿を「光」と表現し、素晴らしい生き方を貫いたことの素晴らしさ、がこの漫画の根底にあるテーマなんだという流れになっています。

死を美化するのではなく、その逆で、限りある命を燃やして、懸命に、その人、その人それぞれが自分らしく生き、散ることの大切さを訴えている、という風に展示が締め括られていました。

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いやあ、これは行ってよかったですし、まさか天下の上野の森美術館で、こんなに漫画作品に対して敬意を持って展示してくれるとは思わなくて、また違った感動がありました。

森アーツギャラリ○とは雲泥の差ですね(笑)

もう今度の日曜で終幕してしまうのですが、ぜひ興味が出て来た方は、是非漫画作品も読んでみて欲しいと思います。

https://comic.k-manga.jp/title/104894/pv

連休も折り返し、皆さんはどんな風に過ごしていますか?

是非コメント欄で教えてくださいね。

heartbeat

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