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限界と先入観

今回は少し不思議な話です。というかトンデモです。書くべきか悩みましたが、思いついてしまったので書いてしまいましょう。

天才に必要な要素は、先入観が限りなくゼロに近いという事なのかもしれません。その結果、限界(と思われていたところ)を超え、圧倒的な結果をてにします。また、それをきっかけに今までの限界が次々に破られます。

限界とは、先入観がもたらしているものなのかもしれません。

いえ、そもそも限界とは……。

前人未到の1マイル

ロジャー・バニスターさんという陸上選手をご存じでしょうか。1マイルを4分以内で走り切った人類最初の男です。ゾクゾクしますね、前人未到。

当時は1マイル4分を切れば死に至るとさえ言われていたそうで、挑戦する事自体が正気の沙汰ではないと思われていたそうです。なんといってもそれまでの最速記録は4分10秒3。確かに当時の常識から考えれば絶望的な挑戦です。(ごめんなさい。調べ直したら最終的には4分01秒04でした。)

しかもその頃のバニスター氏、金メダル確実と言われていたヘルシンキオリンピックでまさかの4位。限界を感じ、競技引退も考えていました。

ところがどういうわけか一念発起、人類の限界を破る決意を固めました。

そして1954年5月6日、1マイルを3分59秒04。見事4分の壁を破る最初の男となったのです。

でも面白いのはここからだよ。

ロジャー・バニスター氏はその時、こう予言していました。

「わがあとは洪水となれ」

そして、バニスター氏はこうも言っています。

「地面が共に動いている気がした。そこで、今まで気づかなかった力と美しさの源を見つけたんだ。」

きっとゾーンに入っていたのでしょう。

バニスター効果

ロジャー・バニスター氏が4分の壁を破った7週間後、オーストラリアのジョン・ランディという選手が3分58秒という記録を打ち立て、ロジャー氏の世界記録を塗り替えます。また1秒縮めました。

この現象はバニスター効果と呼ばれ、人間の思い込みが破壊されれば常識を覆すことができる例として用いられます。事実、バニスター氏が4分の壁を破ったことでそれまでの常識が覆され、世界中の陸上選手の思い込みを同時に破壊し、4分の壁が取り払われたのでしょう。

そしてその後、1マイル4分の壁を破る選手が続々と誕生します。その数、1年間に23人。まるで洪水のように次々と。

バニスター氏の予言通りに。

破壊されたのは思い込みなのか

などと一般論を書いてきましたが、ここからが本題です。長い前置きを読んでくれて有難う。思考実験だと思って読んでください。狂人のたわごとです。

果たしてバニスター氏が壊したのは常識、思い込み、先入観なのでしょうか。少し違う角度から見ていきます。結論から言うと、バニスター氏が破壊したのは物理法則です。

オカルトチックすぎるので修正します。集合的無意識に縛られていた人間の限界です。これでも充分オカルトですが。

思い込みが外れたとたん、バニスター氏以前の世界記録を1秒以上縮める選手が1年で23人も現れました。ちょっと思い込み凄すぎます。本当に思い込みという個人的な精神の問題なのでしょうか。

その他のバニスター効果

エクストリームスポーツの世界では、バニスター効果が頻繁に顕れます。

例えばフリースタイルモトクロス。バックフリップという技があります。簡単にいうとバイクでジャンプしてバク中する技です。やばい。

このバックフリップも、一人の選手が成功させてから他の選手も次々にマスターしていきます。更に技は進化を続け、ついには空中2回転。非公式では3回転も。あたまおかしい。

このような特に危険な競技では、選手たちは潜在能力を限界まで引き出す必要があります。そのため、ゾーンと言われる状態を体験する選手も多く、しかもそれは個人的な体験だけでなく、その体験は周囲のチームメイトやライバルにまで影響を及ぼします。これは脳の活動からも確認されています。

スポーツでもイベントでも良いです。周囲との一体感で予想以上のパフォーマンスや恍惚感を感じた事ありませんか?複数の人間の情動がシンクロして大きなひとつになったような感覚、感じた事ありませんか?

天才は破壊する

むりやり結論に向います。

人間に限らず生物は、個体同士の精神的なものが繋がっている事を感じる事ができます。それが限界を作っているともいえるでしょう。

大多数が無理だと思っていることは、無理な現実として顕れる。とも考えられるのではないでしょうか。個人的な思い込みどころか、「種」としての思い込みです。

天才やゲームチェンジャーと呼ばれる存在がその限界を破る事で、集合的無意識が「無理な現実」から「可能な現実」へと変わる。個人的な思い込みが外れて出来るようになったというよりも、天才が「無理な現実」を破壊したことで、集合的無意識も「可能な現実」に変化したのだと思います。

いつだってゲームチェンジャーは異端児です。どんな分野でもそうでしょう。たとえ凡人でも限界なんて考えず、限界をぶち壊すつもりで世界を生きていきましょうよ。その方が楽しいので。


今回はここまで。最後までお読み頂き有難うございました。

(本当は天才が限界を超えたことで物理法則をも変えたと思ってる。ゾーンを使って。内緒だよ。)



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