脳科学からみた傾聴(話を聴いてもらうこと)の効果その1
あなたはこういう経験はありませんか?
・愚痴をえんえんと聞いてもらったらなんだかスッキリして、その事がどうでもよくなってしまった。
・悩みを相談していて話をひたすら聞いてもらったら、頭の中が整理されてきて自分で答えにたどり着いてしまった。
・ひたすら話続けて聞いてもらったら、自分で自分の思いや考えに気づいてビックリした。
上記3例が傾聴でよくみられる効果です。では一体、なぜこういうことが起きるのか?実は話している人の脳の中でいろんなことが起きているのです。自称、傾聴解明マニアのわたしが傾聴を脳科学の視点で書いていきます。
と、その前に
1.傾聴の定義
を決めたいと思います。
■傾聴の意味
「耳を傾けて、熱心に聴くこと」
↓参照元↓
続いて
■傾聴の効果三つ
1.カタルシス効果(浄化作用)
2.バディ効果(仲間意識)
3.アウェアネス効果(気づき・理解)
上から順に説明します。
・カタルシス効果
話し手の話を非難も批判もせず、丸ごと受け止めて耳を傾けます。不安やイライラ、怒りや憎しみといったマイナスの感情も、そのまま受け止めます。ですから、ありのままを話すことができるのです。
ありのままを話せることによって、心の中にあった緊張や不安が取り除かれ、心身がリラックスします。これが傾聴の一つの効果、「カタルシス効果」を呼び起こすのです。
カタルシスとは「浄化」という意味です。これは、心の中によどんでいるものを洗い流してさっぱりさせること、風通しをよくすること。傾聴では心の内にあるさまざまな思い-不安やイライラ、苦悩や怒りといった感情も吐き出すことができるのです。
これまでため込んでいたストレスを外に出すことによって、カタルシス効果が生じ、やすらぎと癒しが得られるのです。
・バディ効果
傾聴することにより、話し手の気持ちに寄り添います。つまり共感するのです。この「共感」によって2つ目の効果、「バディ効果」が得られます。バディというのは、エイズ患者の集まりや、さまざまなグループ療法から出てきた言葉で、仲間という意味です。
人は仲間を得ることで、安心感を手にすることができます。バディ効果とはつまり安心感を得られるということです。
・アウェネス効果
これは、「気づき」です。精神分析でいえば、洞察ということもできます。気付きには、目が覚めて意識を取り戻すとか、つまづいて初めて、そこに石があったことに気がつくというような外界やものごとへの「気づき」もありますが、傾聴でいう「気づき」とは、自分の感じ方や考え方など今まで無意識だった自分の内なる部分にハッと気がつくことです。
■では傾聴の定義とは?
傾聴の言葉の意味と、得られる効果を見てきました。以上を踏まえたうえでわたしの傾聴の定義とは?
真摯に話を聴き続け感情を受け止めて、話し手の脳の可塑性を促し人格の変容を起こすこと
つまり
「話し手の人格の変容を起こす」
これを傾聴の定義とします。
さて、次回からは話を真摯に聴いてもらっている時に、脳にどういうことが起きているのか?それを書いていきます。引き続き読んでいただけると嬉しいです。
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