2024年2月16日(金) 気づけば同じ場所へ辿り着いていた

 「自立とは誰にも頼らないことではなく、小さな依存先をたくさん作ること」

 わたしはこの概念を永田カビさんの一人交換日記という本から新鮮に学んだのを覚えているのだけれど、
よくよく世界を見ると、他の人がまた別の言い方で、でも同じことを言っているのをたびたび目にする。

 こういう、全く違う場所にいる人達が同じことを語るという不思議な偶然はままあって、
なるほど生きている中で通過する重要地点なんだなぁと不思議な感動を覚える。


 あと、若松英輔さんが何かの著作で言っていた「かなしみの自覚」という概念もそうだった。
(多分「弱さのちから」「読書のちから」「君の悲しみが美しいから僕は手紙を書いた」のどれかだったと思う。)


 悲しみはその人の人生を一層深くする。

 悲しみは誰にでも偶然に、そして理不尽に降りかかる。
 あの人に降りかかった悲しみは、たまたまあの人であっただけで、天の気まぐれであなたに降りかかることも十分あり得た。あの人が偶然引き受けてくれたに過ぎない。
 その意味で、誰かの悲しみさえ、実はあなたの悲しみなのだと。
 その悲しみの自覚を忘れないでほしい。


 この考え方もまたわたしにとって世界がぐるんと周るような価値観の転換を起こしてくれたのだけど、こちらも他の人がまた別の表現で同じ内容を語っていることがあって驚く。


 みんなにそれぞれの生活があって違う人生を歩いているけれど、歩き続けた先に気づけば同じ場所へ辿り着いていることもあるんだと、
 それは希望といっていい実感だった。

ここまで読んでくれたあなたがだいすき!